グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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(魚釣島/尖閣諸島)がテロに会う2

 

「土人、やっちゃったね。土人」

「お前は土人ムカつかないのか」

「テレビカメラ回ってるだろ」

同僚が他人事だと思っていい加減なことを言っている。


竹田はいきなり批判の矢面に立たされた失意で一杯だった。


デモで暴れる活動家をどやしつけるときに、土人と言ってしまった。

ああいうのは隠し撮りしているんだよ。

でも事前に注意してくれる人はいなかった。

座り込み活動家はお客さんだ、丁寧にあつかえ、とか、そんな指示はとくに出ない。

「もしかして目立つためにやったとか」
「何の為に」
「在特の桜井辺りがボディーガードにお願いします、とかいってくるかもしれない」
「桜井のボディーガードは機動隊より給料良いのかよ」
「桜井は警察に人気あるみたいよ。選挙の時、地元の警官が応援にきてたって噂」

桜井は三国人を追い出せとか何とかいう政策で、東京都知事選などに立候補し、素人にしては異例の得票を得た素人候補者だった。

竹田たちは大阪なので知らないが、中央から流れてくるニュースである。

「移民いいじゃん。俺は外人殴りたい」
「ふざけるなよ、お前は警察止めろ」
竹田は、他人事だと思って、いい加減なことを言い続ける同僚にキレかけた。

「お前がいうなよ」
「お前のせいで機動隊の威信はダダ下がりだな」

竹田を非難しているのか。迷惑だと思っているのか。それとも、俺の言えないことを言ってくれたと思っているのか。

同じ危険を共にする、同じ職場の同僚の胸の内なのに、竹田には分からない。

しかし、ここのメンバーは、みんな若い為、そんなに世論に一家言あるとか、無いとかってことは、特にない。

仕事を終えた後の疲れに任せて、勢いでしゃべっているだけかもしれない。

「竹田さんは真面目過ぎるんですよ。沖縄の活動家なんてオラついていて当たり前じゃないですか。
同じ人間だと、見なきゃいいんですよ。向こうだってそう見てないんだから」

 


だって、同じ人間だとは、元から見てないし。

これ以上言うと、場が荒れるので、竹田はやめておいた。

俺は差別発言をテレビカメラに取られた、迂闊でバカな奴。

組織には要らない人間。

でも他の奴らの感覚だって、そんなに違ってないと思う。

俺たちが差別意識の塊っていうのはそんなに間違ってない。と竹田は思った。

差別意識がなければ警察の仕事なんかできない。

ボディーガードを探しているという噂の、在特の桜井ってやつには、どうやったら連絡取れるんだろう。

そんなことをしなくても、上の人が相談にのってくれるだろうか。

でも、いたしがたい差別主義者を切ったと見せかけて温存しておき、職を斡旋したなんて、後からマスコミに嗅ぎつけられたら、面倒臭いだろう。

それなりに栄誉のある機動隊員である自分の失言が日本中に広がり、

上が対応を決めかねている現在、ノコノコと警察組織に再就職の相談に行くのはためらわれた。