グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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(魚釣島/尖閣諸島)がテロに会う7


漁船は、かなりの距離を稼ぎ、GPSなどと照合すると、どうやら尖閣付近に近づいたようだった。

桜井たちは双眼鏡を回しあった。

遠くからでも、真っ黒い煙が上がっているのが見えた。

「あれって本当に尖閣か?」

「そうだろ。GPSではそうなってるし、タンカーとかもたくさん泊まってるし」

「じゃあ何で煙が出てんだよ。誰かが自爆テロやったとか。例えば」

「俺らは、やってないぞ。知らないけど、多分」

「もちろん、そうだろう。日本の警察が、そんなことできるわけがない」

「やったとしたら盧溝橋だな」

「中国がか?」

「面倒くさいことを考えるのをやめようぜ。俺たちは、ただ、前線に行って来いって言われただけじゃないか」

変な色の焔は、次から次へと粉塵を噴き上げていた。

黒い煙は、まるでこのまま周辺一帯を覆ってしまいそうだ。

 

 

 

「私たちは、日本人の残虐行為を非難します。

彼らは、無辜の中国人民をおびき出し、大量殺戮を諮りました。

日本人は、何度でも、何度でも、我が祖国へ侵略してくるつもりなのです」

アジア人の女性が、ドイツ語でスピーカーで叫んでいる。

街ゆく人が、興味深そうな顔で集まっていた。

丁度、彼らの正面の、人々の待ち合わせスポットになっている、街角の大型テレビジョンには、海上に噴煙を上げる小さな島が映っていた。

緑の焔、青い焔。

「イリュージョンじゃないのか」

先に、中国が、中立地帯に基地を埋め立てて、領土膨張を図ったなんていう極東情勢は、こんなところまで流れつかない。

尖閣の爆発事故は、中国当局を驚愕させた。

すぐに本物の遺族、偽物の遺族などが組織され、

各国へ派遣された。
初期初動、インパクトが大事だ。

魚釣島で働いていた夫の、命を奪った日本を許しません。ここにいる、みなさんの、力を貸してください」

壇上の彼らは、長旅で疲れていた。

彼らは、通常の旅客機で、一般搭乗客を押しのけて、各地への空いた席へ詰め込まれた。

あまりの眠気に、自然に涙が出る人、流す涙の量が足りなくて、裏へ行って、目薬を差す人などがいた。

恐らく、ドイツ人とアラブ系の、警官が2人、こちらへやってくる。

「集会の許可は取りましたか」

 

 

 


「ねえ、三島さん、これは何なの」

党9の一家は、珍しくテレビの前に集合していた。

休日に泊まったペニンシュラホテルのロビーだった。ツェイの商用の傍ら、家族がショッピングをした翌日だ。

娘の指名で、三島も連れて来られた。彼は庭師から荷物持ちに昇進していたようだった。

テレビの中の、魚釣島の、粉塵を上げる変な色の焔に、全員が、呆れた顔をしていた。三島も呆れていた。俺に聞くなよ。

庭師には、分からない何かです」

「いいかげんにしろ。お前みたいな庭師がいるはずがない。

お前は、何らかの目的を持って俺に近づいた」

「俺みたいな庭師は、いますよ」

「中国では、庭師が庭に埋められることは珍しくない」

三島はホテルのロビーの大きなソファーの上で居住まいを正して、党9を見た。

「日本と中国は、いつも連絡が取れません。

互いに反目しあうばかりで、お互いがお互いを損ねています。

私たちは、一方的に領土を侵略されて、何もできずに困っています」

「俺は魚釣島なんかに関係ない。

だいたい、俺が業績を認められたのは、チベットとかだ。釈迦に説法かもしれないが。

お前は俺の経歴なんか、調べ上げているんだろう」

尖閣も、そのうちホットスポットになるんでしょう」

三島は自嘲的に言ってみた。

「ならないよ。私たちは魚釣島を武力で支配した。ザッツ、オールだ。交渉は必要ない。尖閣という地名は日本から無くなる」

「その通りです。これは悪あがきです」

身なりの良いホテル客が、彼らの目の前を通り過ぎていく。