グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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(魚釣島/尖閣諸島)がテロに会う9

 


「俺はヤバいことをしでかしてしまって、どうしよう、死のうかと思ってるんだけど」

「大丈夫です。いつかきっといいことがありますから。死ぬのは止めて下さい」

彼は電話を切って、ため息を吐いた。何やってるんだ、俺。

電話ボックスに張ってあった、いのちの電話のステッカーだった。悪戯半分の電話で、少し気持ちが落ち着いた。

大丈夫なのかな、誰か死んでないのか。

「あのすごい色の焔、アレはきっと、アレなんだよ。どうするべ、俺たち」。

リュイに、相談する相手は、いなかった。

リュイは既に投棄業者は止めていた。

中華街の求人掲示板に出ていた、新興の環境系企業に、再就職したからだ。

あのとき一緒に尖閣へ行った、残りの2人が今どこで何をしているのか、知らない。

依頼した業者の居所は知っているけど、問い正してどうにかなることでもなかった。

金を貰って捨てに行ったのは俺たちだ。

 

 

 


「日本側が、意図的に爆発物を、捨てたから?それっていいがかりじゃないですか?」

「中国側が調べたらそうなったんだって。どうなんだか」

「見てきたように嘘をつくってやつか」

「日本側の捜査員も入れたらいいじゃないですか。何なら、国連辺りに、来てもらって」

「日本側の陰謀だって。彼らは、既にそういう方針で、活動している。メディアを呼んだり、各国に爆発現場の惨状を訴える人々を送ったりとか」

「待ってくださいよ。そんなのが通じますか?

そもそも中国が、日本の領土に侵攻して軍事基地なんか作るから、いけないじゃないですか。完全に言いがかりじゃないですか」

警視庁で行われている合同会議。

例の尖閣のクルーズから戻った竹田と大野は、まだ一応保存してあった自分の制服を着て、会議のテーブルの後ろに、突っ立っていた。

拳銃は既に持っていない。ここに呼ばれたということは、自分はまだ警察に属しているのか。

爆発の現場にいたから、参考に呼ばれただけなのか。

竹田たちは立ちんぼには慣れているが、上の人たちの会議は、なかなか終わなかった。呼ぶなら椅子くらい用意してくれ、無理か。


日本の専門家チームは、日本が中国の領土に爆発物をしかけたという言いがかりに対して、あらゆるルートを使い、各国に日本の立場の理解を求める交渉を行っていたが、

中国が軍拡して爆発物に当たっただけで、事態の意味が分からないと言われて、対応に困っていた。

 

 

 

 

尖閣周辺の衛星写真をずっと記録してる会社があるんです。念のために、契約してるところです。

10か月前に、日本から船舶が1つ、尖閣に停泊しています。

船体には、中国語が書いてありましたが。

ただ、中国側はもっと頻繁に出入りしてますから、投棄が、その人たちとは、限らないですけど」

「そいつをつきとめて、つきだせば、話は円満に解決するのか?」

「結局日本のせいにされるだけじゃないか。

それに中国側が頻繁に出入りしてるなら、そいつらとは限らないんだし」

 

 


お前はまだ警察の人間だ、とも、お前はもう警察の人間じゃない、とも言われない。不安定な身分だった。

竹田と大野は、新しい仕事を与えられた。仕事っていうか何だこれ。5毛ってやつじゃないのか。

インターネットで中国人が、5毛(10円くらい)でやる、当局のプロパガンダのアルバイトだ。

ユーチューブやグーグルの、尖閣の爆発事件のデータは増え続けていた。

ある投稿欄に、遺族の1人が、ディズニーランドで家族と遊んでいる写真が並んでいた。

他の遺族は、長沙のマクドナルドでやはり家族と食事を取っていた。

つまり、中国側が世界を回ってやっている、事故の遺族の日本非難は嘘なのだと、言いたい。


そういうあまり意味のないカウンタープロパガンダを、彼らは、他のアルバイトらしき人々に交じって、チマチマとやっていた。

やらないよりは、やったほうが良い。

そもそも、極東有事など、欧州大陸で大した興味は持たれていない。

しかし彼らは無意味に耐性があった。

警察の仕事は、こういう敗戦処理みたいなものがほとんどだったから、大して苦にならなかった。