グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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ミノス・ジェライス(仮)1

 


ブラジルのミノスジェライス州。スペイン語で全部宝石っていう意味、そのくらい出た。

ダイヤモンド、トルマリン、クォーツ、あらゆる宝石掘りが寄り集まる夢の土地だ。

さすがに掘り尽くされたのか、現在の出現率は不明。

かつてカルフォルニアのゴールド・ラッシュは、50年も続かなかったとか。

川田は、出遅れたと思いつつ、他に行くところが無かったのも事実。えええ、今時妖怪ウォッチ?みたいな流行遅れの鈍臭い奴。

1日だけ雇った、現地語訳と有事用のディスパッチャー(ブラジルの便利屋)が、彼女の横にいた。

「ウェルカム!またマヌケな出遅れモノが来た」

「あなたこそ、私の地元の就職率、知ってますか」

「ここのお宝出現率と、あんたの地元の就職率は、そんなに変わらんよ」

「1年、1日中、堀りに掘って、1粒の砂金が、出るか出ないかだよ」

「それでも、あなたたち、人夫を雇ってるんでしょう。1000ペソで」

「まさかってことがあるし。こういうのは賭博だよ。出るも八卦、出ないも八卦

隣の事務員が机に体を乗り出してきた。
「お前は、素人なのか。
宝さがしは、だいたい体力勝負で、同業他社の金が尽きて、虫食いのように退散していって、

逃げ遅れたマヌケが、敗色濃厚になってきた頃に、黄金水が噴出したり。油田なんか、そんな感じだよ」

「要は金か。金を掘るにも金がいる、当たり前のことか。金が金を生む、まさに錬金術

客対応に見せかけた、鉱山屋の物騒な井戸端会議。見た目は怖いが、南米人はオバチャンか。ここはオバチャン男子の巣窟か。

「俺たちは平等に、全く平等に、1日中お宝を掘る作業ができるよ。何処を掘るかは、そいつの自由だよ。

しかし1000人に肉体労働をさせる金あれば、出現確率は1000倍に跳ね上がる」

理屈が多いってことは、あんまり儲かってないってことかもしれない。川田はココへ思いつきで来てしまい、スカ札を引いた気持ちで一杯だ。

「そんだけ金がある、あなたのところの、ケツモチは誰?」

萎んだ気持ちを励ますべく、盛り上がる事務員たちに、口を挟んでみた。

「それは、言えない」

「アラブの油田なんか、土地の所有者じゃなくて、どこかの金持ち、つまりセブンシスターズとかだけど、所有権持ってるよ。土地を持ってるだけじゃ、掘れないし、宝の持ち腐れでしょう」

「だけど掘った奴の宝なのか、もともと持ってた奴のものかは、争いがあるだろ」

「知らないけど。ゲリラ兵とか組織して、AK47を撃ちまくって追い出さない限り」

人だけが、ひしめき合っていた。

地球上の70億人の全員が、石油や宝石、限られた土地、有限の水を奪い合っている。

当然それは、この地でも。

 

 

 


金、金、金、ダイヤモンド・リング。女は嫌だね。とはいえ、彼女たちのマネー・トークは、どこかあさっての方向へ飛んでいた。

年収1000万の男性を募集とか、そういうキラー・フレーズは見当たらなかった。


「ゴールド、宝石、石油、水、穀物

有限なものは、上がるよ。世界はこれだけ人口が多い。札束は、ただの紙切れだし、いつだって、数字とマヌケなオッサンの顔が印刷してあるだけの、紙ゴミになる可能性がある」

「そういう物資だって、科学的に合成されたらおしまいだよ。研究先進国は、そういう技術を握って、市場のかく乱を狙っていると、私は思う」

「人間不信だね。須藤って何か、クヒオ大使とか、俺俺詐欺にでも引っかかったことでもあるの」

「須藤は、自分がクヒオ大使じゃん。何人の男を騙してきたんだよっていう」

須藤はフンと言う顔をした。自分の魅力が分かってる感じのボディ・コンシャスなミニスカートとか。

彼女たちの間柄に、モテによるマウンティングとかは無かった。

モテることはただのギャグだ。だって、変な蠅だって大量に湧くのだ。不要におだてられて脇が甘くなったり、良いことばかりではない。

そのくらいのことが分かっている彼女たちのテーマは、男ではなく、金だ。男は金についてくる、そのくらいの勢いだ。

だから須藤のミニスカから出ている脚と顔は、本当にギャグだった。お前、やる気あるのかよ。男に下心持ってない?

「ダイヤモンドはダサイ、なんて宣伝広告を、ビクトリア女王オバマ大統領辺りが組んで流したら、お終いだよ。ローマ法王とか。

ダイヤモドは、ウンコ、とか、身に着けると呪われるとか。ダイヤモンド・リングを買うと、離婚率高いとか」

「ダイヤモンドの価値なんか、木炭レベルになるよ。

炭素とダイヤモンドは、同じ原子構造で、どうしてダイヤモンドばかりが左団扇なのか、と、木炭業界は憤っているかもしれない。

シベリアで、木炭があれば、一日暖を取れるけど、ダイヤモンドがあっても凍え死ぬだけ。ダイヤモンド信仰は、謎だよ」

「だから結婚できない」

「そう、元々狙ってない、そんなの。金の為に結婚するくらいなら、金そのものを狙った方が良い。男は金で買えばいい。

ミノスジェライスで一山当てて、ホリエモンみたいに、いつかマスコミの前で放言するよ。男は金についてくると」

3人の中で一番色香の薄い川田。ジーンズにシンプルなカットソー。

「ブラジルは、オリンピックでマリオが土管から出土した、ホットスポットだよ」

「ミノスジェライス行くの?」

「ネタで行ってみて、当たったらバズるよ。ダラダラと続いた金融緩和で、札束が唸りを上げてるよ。

紙幣は、供給過剰、だと思う。多過ぎるから、価値が下がる、っていう。野菜と同じ。

トランプみたいな吹かし株屋や、ベーアノミクスを否定する奴が出てきて、幕切れのファンファーレが聞こえるよ」

「ソレ、あまりに漠然としてるし、男釣れないよ。まず、欧米の一流企業に就職するか、しこたま儲けてから言わないと」

旅行好きで、キャリアを完全に疎かにしている川田への痛撃。ハイキャリアのレオは、言うことも合理的だ。

「男を釣る為に言っているのではありませんよ、ザーボンさん」

コレは、鼻タレ学生のディベート、経済版みたいのだった。3人は、もう卒業した、ゼミの同窓生だ。

お金の世界は、騙し、騙され。経済に、ある程度の法則はあっても、100パーセント正しい答えはない。

法則を頭に入れること、それでも残るギャンブルの要素が、ポイントかもしれない。そこは、他のゲーム、スポーツと同じ。

もし100パーセントの法則に乗っ取っていたら、社会の秩序は永久に変わらず、希望がないし。

「人が増えてるし、投資する研究ジャンルも増えてるんだから、札が増えるのは当たり前じゃん。100人いるのに10円しかなかったら、世の中お終いだよ。

100人いたら、100000円くらいあった方が良い。その金で、食べ物作ったり、生活便利用品を作ったり」

レオの言うのは、すごく当たり前だった。が、札崩壊説は辺りに漂い、本屋へいけば、その手の本に死ぬほど巡り会える。

「私は、札は過剰だと思う。ハイパー・インフレみたいなことが、世界レベルでは起きかねないんじゃないかと、危惧してる。素人だから、それって嘘率高いけど」

「それで、須藤もミノス・ジェライスへ行くの。それともお家に引きこもって、ひたすら先物で買い入れるの」

先物買い、砲弾を増やすために、人を巻き込む。それで主婦のカリスマになるとか」

川田はミノス・ジェライスに須藤なんて連れて行きたくない。須藤みたいに、見た目、派手な女子を連れて、危険地帯を歩くと、リスクが増える。川田はヒョロじゃないけど、用心棒ほどマッチョじゃない。

「やだよ。他人の賭けにまで責任取れないし。

当たれば当たったで、自分の儲けが減るし、外れれば死者が大量発生する。

当たる株指南とか、してる人たちは、面の皮が鋼鉄で出来てる、サイコだよ。頭がおかしいよ。

主婦なんか、旦那の職業や収入で、かなり借金が効くから、失敗したら最悪だよ。他人の生活を壊して、良心が痛まないのか」

「そういうことを言ってるから、須藤はキャリアが積めない。

人は騙してナンボなんだよ。それができないから、私たちはこんなところでクダ巻いてるんだけど」

「騙されても良いと思ってる人たちから、資金を貰って、その金で、真面目に筋を通せばいいじゃん」

「だからレオはキャリアが積めているのか。だけど、そのキラキラネームで、就職差別されなかったの。デカプリオですか、とか言って」

「ミノス・ジェライスは、怖いじゃん。ヤバイヤツ多いし」

川田は、ブラジルがヤバイ率は、先物ヤバイ率よりは、大したことが無いと言った。

先物は首吊る人多いから、気を付けないとだよ。

現物はカタイとか。需要が途切れないから、生活必需品だから。先物で首吊る人のほどんとが、そう思ってるんだよ。

そういう人が、世界中で、増えたり減ったりして、乱高下する。穀物も、台風で死んだり、いきなり大豊作になったりする。

札束が紙屑とか、須藤のセオリーつうの、ソレ。株上げしてる証券マンのまんまコピーでウケるから、何なら証券会社に就職面接に行けば良いよ」

「私はピーノとのハーフだから、保険のオバチャンくらいにしか採用されないよ。

日本ではまだ、カラードは受けない。少なくともお金を持ってるイメージが無いし」