グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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ミノス・ジェライス13

 


ヒョロイ日本人の集団は、リオグランデという名刺を渡してきた。ポルトガル語と英語の併記、IT企業。いわく、本社からドサ周りに出されたという。

「ブラジルは犯罪率高いけど、戦争ないの、何で」

エンジニア1は聞いた。ブラジルのインターネット・サービスに、食い込むアイデア、どう持っていくか。

「ブラジルは、勝ったことも無しい、負けたことも無い。戦争経験は、ゼロではないけど、小競り合いみたいなものだよ。アルゼンチンとやったり。

現地民の立場でいうと、ブラジルって国が出来た時点で負けてた」

「入植者の立場で言ったら、勝ってるじゃないですか。現地民は、少ない。全て現地民が正しいとか言ったら、北アメリカ死にますよ」

アルベルトは、見た目カラードだが、混血かもしれない。ブラジル庶民の立場は、どうとでもあり得た。

民族の派閥抗争に縛られない、多くのルーツを持つ。

送金屋の1人が言った。

「世界大戦時の欧州なんか犯罪率50%以上でしょう。80%くらいかもしれない。そのくらいの人が犯罪行為に手を染めてた」

「戦争を終結させられるのと同じで、犯罪も減らせる?」

「植民地とか、16世紀頃からずっとそうですよ。だから今、犯罪率が高いから終わってるとは限らない。あの平和な欧州が、かつては内乱で、人口の3分の1とか死んでましたよ」

リオグランデは、犯罪を減らす仕事をしているのですか」

「ハイ。勢いで、そういう売込みを、ブラジルの役所に掛けてしまいました。インターネット・コミュニティを利用して犯罪率を下げるんです。

出来るかどうかは不明ですが、犯罪の横行に悩む、相手の弱みをついた形です。が、IT事業は激戦区だから、通用するかどうか、分かりません。

お宅みたいに軌道に乗ってる商売じゃないです。僕らは、ただの特攻隊です」

 

 


「南米投資ってどう思いますか。地雷ですか」

「ハア、やってるんですか」

バックパッカーの友達が、砂金掘りに行って、金塊当てたそうです。

それでブラジルにインターネットサービスを売り込みにってる、エンジニアと会ったそうです。スマホで連絡がありました」

通話の為に外へ出て、戻ってきたレオが言った。

このテーブルは、羊な男性陣が占拠するが、むしろ女性陣の方が放言が多い。

当初、少しだけ下心のあったオッサン連中も、最早、合コンでなくても、良いような気がした。

彼女たちは珍獣だ。ポケモン・マスターの心が騒ぐ。知能の高い合コンだと思えばいい。

「差し当たってそれは、俺たちの商売とは結びつかないよ。南米投資、収益率高いですか。あまりそういう噂は無いです。ブリックスに一応ブラジルは入ってます。

だけど、日本の金融業界は落ち目だから、良心の痛むような営業を強いられるケースも多いです。俺たちの商売ってのは、袋小路に嵌っているのかもしれない。

そういう変なビジネスを開拓している人たちが、逆に羨ましいですよ」

「僕らが安定しているのは、今だけです。ベーアノミクスが斜陽になってきた昨今、顧客の方々を、ずっと儲けさせてあげられるとは限らない。

せいぜいガメつく儲けておいて、どこかに高跳びして再出発するしかない」

「株ツライ、受験ツライ」のオッサンは悩んだ。息子たちの進路に、何をオススメすべきか。霞が関か、外資系金融か、南米ビジネスか。

もちろん息子たちの意志が最優先だが、教育現場にマトモな情報は転がっていない。

子供たちは檻に囲い込まれ、ひとまず偏差値を競うくらいしか、手がない。

だが、大学へ行けば、専攻が分かれ、キャリアはそこから始まる。もしアドバイスを求められたら、どう対応すべきか。