グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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ミノス・ジェライス15

 

須藤もレオも、本心ではアルベルトに興味を持った。日本では出会えないタイプの、野性味のあるラティーノ

が、2人は川田に遠慮した。彼は川田の用心棒だ。

川田はサバサバしているが、だから、誰を気に入っているか、すぐに顔に出る。

須藤やレオみたいに、目ぼしい男を見つけても、さりげなく落とそうなどとしない。

それは旅人流の警戒心かもしれないし、男は金で買うと豪語する彼女の本性が、本当は奥手なせいかもしれない。

川田は一度だけ、アルベルトと寝た。

日本、安全地帯だ。アルベルトは多くの人の前に顔を見せたし、入国記録が残った。今、金塊も手元にないし、盗まれて逃げられるリスクは少ない。

まるで、ナンパした相手が女子高生でないことを確認するオッサンみたい、トホホ。

アルベルトはビジネスには興味あるが、地元で普通に家族を持って、自分の出身家庭みたいに仲良く暮らしたいと言っていた。

アルベルトは用心棒で稼いだ金を、妹たちに仕送りをしていた。少しでも良い高校へ行けるよう。

3人の妹と弟は、なかなか優秀だという。金が無くて、小卒だった俺とは違うと。

アルベルトは、きっと可愛いラティーノを見つけるだろう。白人かも知れないし、ムラートかもしれない。

川田は旅行先で人と親しくなることはあるが、帰国後まで長く親交が続くことは稀だった。一期一会だ。

 

 

 


金融屋連中を中心にした、彼らの変な会合は、意外と続いた。

リオグランデのブラジル特攻隊が一時帰国したり、もしくは、本社の人間を連れてきたり。

海外送金業務へ業務拡大したい日本の大手銀行から、川田の使ったブラジル=日本間の送金屋に、買収に応じないか、というオファーがあった。

日本人の銀行屋としてのイメージは悪くないと思う。誠実でお金儲けが上手く、卑怯な手は使わない。

バブル崩壊後の不良債権スキャンダルが知れ渡ってなければ、だが、バブル崩壊不良債権が発生するのは世界共通の現象だ。

川田は、ミノスジェラスの悪徳金山で、一週間で金塊を当てたなんて、まぐれ当たりを他人に吹聴して、他人を陥れるのは気が引けた。

川田は昔から、旅のブログを作っていた。

そことその大手銀行は提携して、宣伝を兼ねて副収入を得たりした。セコイ金稼ぎで、やや不本意だった。

こういうの、ゆるキャラとかマスコットにするのと似たようなものじゃん。つまり、旅行者の金を集める銀行だ。

それに、バックパッカーは海外とヒョンなツテを持っているかもしれない。そういうシナジー効果は不明だ。

それは銀行の事情なので、いずれ川田個人は、もう少しカタイ収入のある就職先を見つけなくてはいけない。

川田は海外でイイ男を見過ぎていた。川田のイイ男の基準は、金や地位ではない。

自然体で人に親切にするとか、値切ってくるが憎めないこととか、貧しさに踏みつぶされない生命力。

その手の川田が見つけたイケメン、またはお姉さん。

大抵が、小金を払って、その辺をブラブラ歩いたり、観光案内を頼んだり、安宿で一緒になったり、その程度でだった。

懐から札束を取り出して、片っ端から寝たりしたわけではない。

が、そういうスレた川田が、日本の社畜や羊人種と、共同生活を営めるかどうかは不明だ。万事チマイとか思ってしまうかもしれない。

いわゆる婚活ってやつ。日本で大流行のアレ。元ゼミ生の女子会でその手の話は、あまり出なかった。

男の話ばかりをしたら負け、という雰囲気が漂っていた。

気に入った男がいないとか、そういうことではないが、仕事を止めたくない。