グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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日本の終わりとハードボイルド・ワンダーランド12


孝子さんは、変な銃を持ってきた。カラシニコフみたいなの。

「何か身を守るものが欲しいんでしょ。それだけで大丈夫かしら。今お父さんいないんだけど」


「それは何?誰の銃なの?」


「ウージーって知ってる?」
「聞いたことはあるけど、何でソレなの」
「真壁村に大量に積んであるの。例の、女しかいない村」
「そこから持ってきたの?この銃。母さんは」
四国地方の女村は知ってる?」
「女村は知ってるけど、あそこから出てきてここで働いている人はたくさんいるし。でも何かウチと関係あったの」

人身売買の蔓延る村から逃げてきた女連中は、僻地にしか入植できなかったので、痩せた土地を耕すために、イスラエルの灌漑技術などを取り入れた、

山賊から、身を守るために傭兵も入れた。

「隣の奥さん、真壁村から出てきたのよ。女ばっかりのところ」

「へえ。そうだったんだ。あのアフロ・ヘアの人だよね。その銃を彼女がくれたの?」

「そうよ。防犯用にって。余ってたから持ってきちゃったんだけど、家に5本も10本も護身用の銃があったら、物騒だし警察に目をつけられるって」

「違法じゃないの」

「私はその時に猟銃許可証を取ったの。旦那と一緒に。山でハンティングやったり。野鳥を撃ち落として焼いて食べたりしたの」

「頼もしいんだね」

「そうよ。だから、困ったことがあったら、言って良いよ」

孝子は、ムカイを見つめた。

「ノリくんのことは、本当の子供ではないけど、とても大切にしているのよ。何か困ったことがあったら、助けになるから」

 

 


今日のインターネットのニュースには、近畿地方の小中学校のコンピューターが20年ぶりに復旧、5社が入札、と書いてある。

その5社の中に、うちが入っているという噂が社内を流れていた。

俺は社長に呼ばれた。

「農村って、義務教育が無いって噂だよね」

「俺の経験では、そうです。でも、昔のことだし、他の村のことは知らないし、俺は近畿地方じゃないです」

「キミは農村利権について、詳しいって聞いたんだけど」

「詳しくないですよ。社長は与沢に俺を売るつもりじゃないでしょうね」

「お前を売る、ってのは、何の話だよ。それに与沢っていうのは、何処から出てきたんだ。よく北朝鮮とか行ってる議員だよな?」

「与沢は全国の農村で力を持っている、ご神体カルトに、顔が効きます」

「確かに、与沢は、農民は文盲の方が都合が良いみたいなことを言う奴だよ。

俺も政治を全然知らないってことは無い。

でも、売るとか売らないとか、君は北朝鮮かイスラミックステイトの人民なのか」

「俺は田舎者で、親子二代にわたって、売られたことがありますから」

「俺だって下放の話は知っているけど、

あんなのは、放っておけば自然消滅するんだし、

通信手段を与えれば、人権侵害だってなくなるはずだ」

社長は書類をパラパラやっていた。目を上げて、俺を見た。

「お前の経験した不幸は、世の中から消えるんだよ」


技術者たちは、ハッキングで混乱した社内のコンピューターの復旧に大忙しだったが、

顧客のクレームより社内を震撼させたのは、明朝のニュースサイトに出たヘッドラインである。

何者かが北朝鮮をサイバー・ノート社経由で攻撃、ミサイル防衛システムダウンか。

サイバー・ノートはうちの会社だ。