グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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日本の終わりとハードボイルド・ワンダーランド13


「この会社に、ムカイノリオさんって、いますか」

たどたどしい日本語で、

でも綺麗なハスキーボイスを出したのは、

何系といって良いのか分からない。

腰のあたりのくびれとか、その辺になかなかいない感じの、背の高い外国人の女性。

彼女はオフィスの入り口に立っていて、付近の社員が俺を指すと、グラマーは俺の方に歩いてきて、職場中の目線が俺と彼女に注がれた。

社長が慌てて飛んできた。

「何ですか、何かしましたか、彼が」

彼女は社長に名刺を渡した。片言の英語が飛んだ。

社長は、いって良いよ、と顎をしゃくり、俺たちは近くの喫茶店で話をした。

彼女はハンナ・イエレンと名乗った。

「今は与沢が国内にいないから、チャンスなんです」

貧しい村は、若年層の大半が出て行ってしまい、かつての封建体制の利権だけは残っている為、それを維持する為に、北朝鮮から難民を受け入れるつもりである。

与沢は今回の訪朝ではそういう取引もしている。

与沢はかつて山賊に報酬を出して、女村を襲わせようとしたが、女連中が先にイスラル企業の傭兵を雇ってしまった。

イエレンはザっとそういう話をした。

しかし何のチャンスなのか。

興味深い話かもしれないが、差し当たって俺には関係がない。

俺は、自分とマスミが与沢の秘書につきまとわれて困っていることを告白した。

イエレンは、俺の事情は、インターネットやその他の企業経由で入ってくるので知っていると言った。

何も知らない彼女が、俺のことを知っている。

そういうのは俺の被害妄想に拍車がかかるのでやめてほしい。

俺はこういう状態で、シラフで社会人をやっているのが不思議だ。

 


「何か隠してるでしょ、

あなたはきっと、優しいから、迂闊なことをいうと、則夫くんに何か危害が及ぶと思ってる。

でもこれは、逆なんですよ。しゃべらない方が彼氏が危ないです」

マスミは、またロールスロイスにつかまっていた。
バカみたい。通勤ルートを変えればよかった。
かといって、彼らは少し頭がおかしみたい。どうやって避けようがあったのか。

マスミは、男に連れられて、ロールスロイルから狭いビルへ入った。こんな長い車、どこに駐車しているのか。

タンクローリーやバスなんかと一緒に並べておくのか。

 

 


長髪の男が、マスミが座らされている長いソファーの横に足を広げて座っている。

長髪は、伸びをして渋い顔をした。

「俺たちが、シャレであなたを連れ去ったと思ってるんですか?

例えば、あのデカい車があるよね。

あんなの、普通に暮らしていたら、なかなか買えないし。

まあ、ロールスロイスくらいは、誰でも買えるかもしれないけど。

俺たちが普通じゃないのは、ロールスロイスだけじゃないから」

机の上に、パンフレットが置いてある。パッと目に入る範囲では、「一代で確実に枯れます」などと書いてあった。