グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

人に見られたくない話はninjaid2000@gmail.com

日本の終わりとハードボイルド・ワンダーランド20

 

マスミは飛行機に載せられて、こんなところにまで連れて来られるとは思っていなかった。

ロールスロイスを、そのまま飛行機に載せたりしないが、その代り、専用機だ。

後ろで花火が上がり、爆竹が鳴らされていた。異国の地。

日本にいたときの服装でいると、寒かった。腕をさすっていると、マスミを見た与沢が、周りの男の1人のコートを脱がせて、マスミに掛けた。

「これは全部、祖国統一を歓迎するっていう意味」

聞こえてくる歓声には、韓国語以外に、中国語などもあった。マスミは言葉の響きの違いを耳で捉えることが出来たが、意味は分からない。

韓国はヒュンダイやサムソンの不振の穴を埋めるように、中国の資本下に入った。

それでも彼らは、朝鮮民族というイデオロギーを捨てていないらしい。

マスミは、得体のしれない人のコートを着るのはイヤだったが、風で飛んで行ってしまいそうだし、寒いので仕方なく袖を通した。強い北風に、大きなコートの裾が何度もはためいた。

風にはためく、上り旗に書かれている文字のほとんどが、ハングルだった。

「与沢さんは、韓国語が分かるんですか」

「俺を拾ってくれた人は、韓国語が出来た。俺が、始めて覚えたのは、日本語と、韓国語だった。

それに、俺が韓国に行く機会は多いからね、ゴシップ記事に書いてある通りだ」


「村は、文盲の人が多いと聞いたのですが」

「そう、ほとんどが文盲だ。俺は経済特区に出てから言葉を覚えた。あんたの彼氏と同じだ。もう12歳を超えた頃だったけど、語学は得意だったんだ」

「それでも、人々が言葉を覚えるのは良くないことだと思いますか」

「素人が、都合の悪いことまで知ったりしゃべったりする必要はないからね」

「与沢さんは、素人じゃないんですか」

「素人じゃないよ」

「その特権意識はどこから出てくるんですか?素人と、素人じゃない人の違いは何ですか?」

「例えば、子供のときに、売女に逃げられたとか、親父殴られたこととかだよ。それは、特別だ。他の奴は体験してない。

ただ昔、俺がつるんでいた奴は、そういう奴が多かったけど。

それで、知らないうちに、こうなってたんだよ。でも俺は、いちいちそんなこと、分析しない。

でも俺は特別だ。それはハッキリしてる」

 

 

 


「こんなの、どう見ても泡沫ですよ。噴飯でしょう」

「噴飯であろうが、噴飯でなかろうが、私たちは、韓国の治安を乱すものは排除します」

永山は国際電話でしゃべっていた。

彼は警察から公安へ異動し、在日コリアンなどが担当だった。

「韓国には、もっと昔から、地に足の着いた、北朝鮮と連動した活動があるのでしょう。思いつきで土足で踏み込んで、上手くいくはずがない」

「彼らは、他の親北団体とも、それなりに、仲良しみたいですよ。日本の親朝団体とも、それなりに、仲が良いんでしょう」

「与沢は有名人ですから、彼がいなくなると悲しむ人がいるかもしれませんが、そろそろ地雷を踏んだんじゃないですか」

「もし身柄を確保したら、面倒臭いので、送り返します。良いですか」

「まあ、彼をつつくと、韓国政界でヤバい人がたくさんいるからね」


いずれにしても、目障りなことには変わりがない。

韓国人たちは、日本を占領した経験もないし、そういう目論見も立たなかった。

かつて日本の支配基盤を受け継いだ韓国のエスタブリッシュメントにとって、反日は民衆を煽る便利なネタだった。

しかし、日本の農村は北朝鮮の農村と、変わらない生活をしているという。日本には在日コリアンも多い。