グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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日本の終わりとハードボイルド・ワンダーランド22

 

エンジニアたちは、その辺の機械をいじりまくった。

認証の要るものは、金村が解いた。その使い勝手や、いろいろなところへつながっていることに感心した。

イエレンたちは、監視ルームのようなところへ入った。

「コレは衛星カメラの写真です。韓国の。拡大しますか?」

金村は勝手にカメラをイジリ、人々が映った。幟旗などがはためいている。

「コレが与沢さんが出ている、統一派のイベント会場です。ここはそのうち、どこかに攻撃される予定です」

「どこかって?」

「分かりません。
北朝鮮のシシステムダウンに、かねてから半島統一を悲願にしてきた韓国軍の一部が呼応します。周辺各国だって放っておけない」

「韓国軍は、その統一派に、気が付いていないのですか」

「気が付いて対策を取っているでしょうね。クーデターを起こされて困るのは彼らだし。与沢を野放しにしている日本とは違うんです」

「それで、ここにマスミさんがいるんですよ」

「何ですって?」

イエレンは金村を見た。

「与沢に連れてかれたんです」
金村は笑った。細い目がほとんど見えなくなった。
「彼女は、孤児に好かれるタイプだね。与沢さんは、彼女を気に入っていた」

「このイベントが、攻撃されるのはいつなんですか」
「あんたは、そういうことを知ってそうに見えるけど」
イエレンは極まりが悪くなった。
「すみません、金村さん、教えて下さい。もし与沢さんが攻撃のことを知らないなら、私はマスミさんを助けに行かなくてはいけないから」

 

 

 

遠くの山で鳥が鳴いていた。10年前に見た光景、住む人が違う。山は同じだが、村の景色は変わっていた。

「お願いがあるのですが」

ムカイは、日に焼けた年下の美少女を見つめた。彼らは、日陰のベンチに座っていた。

「さっきのこと、国連の討論会で証言して欲しいんです」

国連の?何で」
「俺は皆川村毒鍋事件について証言するように言われている。でも反対の証言が出てくるかもしれない。

僕が鍋に毒を入れたとか、少女をもてあそんでいたとか」
「そうなの?」
「違うよ。
俺は、アホみたいに聞こえるかもしれないけど、
自分は誰かに救ってもらったクセをして、
自分がキミみたいな人を救えなかったのを後悔しているし、
後悔しているのに何もしないのは、それはよくないことだと、イエレンさんに言われたんです」
「イエレンさんて誰」
国連で人身売買について調べている人です。綺麗な、ユダヤ人の」

「私はどこかへ売られていたのね。あのとき、誰かが鍋に毒を入れなければ」

ポケモンのキグルミの彼女は、鍋を食べていなかった。だから毒に当たらなかった。接待に忙しかったからだ。

 

 


「韓国に、ヘリを飛ばしたいんですけど、良いですか」

「久しぶりです、友愛隊長」

「朴さん、そういうの、私のこと、好いてるの、バカにしてるの」

「両方ですよ。どうせなあなたは、韓国人ってヒネくれてるって思うんでしょう。

ウチにヘリを飛ばすんですか?

何かオイシイ話とかありますか?

こんな極東の山猿の領土争いに?」

「オイシイ話じゃないよ。だいたい、私はフリーメンソンがどうとか、ゴールドマン・サックスに融資を受けてるとか、

そういうのじゃあないですよ。韓国って、そういう誤解が蔓延っているでしょう。

本当に、違うから。

少なくとも私は、国連職員とかを目指してきて、今の仕事をしてるし、そういう間の抜けた、人権主義者なのよ」

「間の抜けた人権主義者が、人の領土にいきなり電話を掛けてきて、ヘリ飛ばしたいんですけど、なんて言いませんよ」

「そこが私の間の抜けたところなのよ」

「そのヘリは、誰が運転するの」

「日本の警察の人です、元パイロットか空軍の人か、何かしらないけど、とにかく免許持ってます」

朴は窓の外を見た。

今日は変なニュースが多い。日本のカルト議員が集会を開きに来ているとか、韓国軍の一部が、半島統一の動きに呼応するとか。

韓国は、そこそこ豊かになったが、安定しない。

あいかわらず、北朝鮮の脅威にさらされ、米中の覇権争いの草刈り場にされ、

タカっていた日本も往年の経済力が無くなった。

財閥関係者など以外、マトモな韓国人は、ほとんど海外に流出していて、

ユダヤ人はディアスポラの先達として、崇拝されていた。

「何しに来るんですか。それは、人道主義と何か関係あるんですか」

「ありますよ。私たちが捕まえに行く与沢ってのは、日本で人を誘拐したり、北朝鮮にハッキングしかけたり、ロクデナシなのよ。

これって、朴さんに、オイシイ話かしら?」