グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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The Apprentice21 4

 

 

ミリアムは、ベットで本を読んでいた。ダブルベットを、一人で占拠している。昔から、彼女は寝相が悪いから。

ベンヤミンは、もっと小さなベットで寝ている。

ベンヤミンは、妻のダブルベットの半分空いたスペースに、横になった。

夫に横に寝られた、ミリアムは本を脇へ置き、何なのよ、という顔をした。

もう2人は、隣で寝るような年じゃない。

「ミリアムや。この間、変な不動産の営業マンが来たよ。私は知らないことが多いので、適当にしゃべり倒してしまった。

人の話は、聞いておくものだ。惜しいことをした。

不動産屋というのは、一体全体、どんな仕事をしているのかい。

大統領は、どうやって富豪になったのかい」

ミリアムは、ベンヤミンのビジネス・パートナーで、妻だ。アメリカで、法律資格を持っていた。

イスラエルの不動産のルールはおかしかった、祖国を手に入れた経緯がおかしかったし、その後も所有者不明の土地へ強制入植とか、他のやらない行動パターンを取った。

それもカウボーイやコンキスタドールがやったではないか、などと言ったらお終いだ。

そんな例は当然、新興国にも、ゴロゴロあるが、とりあえず、知らない人には、分かりずらい裏事情。手を出したら火傷するでは済まない。

2人はベットの上で、ある程度の専門性を持ちつつ、少し耄碌したような、老夫婦特有のカオスな会話を繰り広げた。

「どこかで、モロクソ安い、土地を買う。プランテーション作りたい人とか。

どうせそんな泡沫国には、大した雇用がないから、まともな給料を出せば人が来て商売が成り立つ。

土地の価格の変動は、鉄道や道路、工場やエンターテイメント施設と切り離せない。だからその手の、地域計画には、腹黒政治家が群がり、札束が飛び、幾人かの逮捕者がでる」

つまり、次はどういうビジネスが流行り、自分たちは、要人としてどういう知識を仕入れておくべきか。

「工場は世界に余ってるよ。プランテーションは足りないかもしれないけど、あんまり良い給料だしてないよ」

「あんまり良い給料を出さないのは、人材の質が低いからだよ。プランテーションにされるような地域には、マトモな教育がない。だから生産性が無い。

収益を上げる為の、設備が整ってなかったり。だから生産性が無い」

「農場なら、灌漑とかハイテクの進んだ、キブツとか流行しないか。

ワーキングホリデーの青年たちを受け入れて交流して、情報交換するっていう、一部のキブツがやっている、コンセプトも面白いよ」

ミリアムは目を顰めた。ベンヤミンは直前にあった人の意見すぐ影響されるから、今日は右派に会ったに違いない。

否、国際交流ならむしろ左翼か。だが、誰と誰が会ったとか、根掘り葉掘り聞かないのがうちの夫婦のマナー。

しかし、目立たないようにしつつ生存権獲得に驀進するユダヤ人にとって、そういう拡大志向は良し悪しだ。

「それは逆に真似されたらまずい部分よ。
だいたい、他の人が全員ユダヤ人になったらどうなると思う。だからユダヤ教は布教しないのよ。
イスラエルの灌漑技術はイスラエルの砂漠に特化しているから、適用できない土地もあるし」

「地球全員がユダヤ教徒。それは想像がつかない世界だ」

 

 


ユダヤ人は金融は得意だが土地はやらない、というイメージだった。

だから祖国が4000年以上手に入らなかったのではないか。

ゼニゲバとののしられ、住処を追い出され、ゲットーへ詰め込まれた。

アメリカで今流行のあの人は、不動産王。その娘婿は、ユダヤ人。

リーマンショックで最悪の形で幕を引いた金融工学は、人々を失望させ、

ベンヤミンは金融から土地へのシフトを感じさせないでもなかった。

そうした流行に慣れておかないといけない。金融はユダヤの秘伝のタレで、土地とは血で贖って苦闘の末に入手したイスラエルの地そのもの。

古い伝統を残しつつ、つねに時流へキャッチアップ、それがユダヤ人の生き残る秘訣だ。