グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

人に見られたくない話はninjaid2000@gmail.com

The Apprentice21 5

 

D通1とD通2はユリコと会わないといけない、オリンピック関連の宣伝広告の、もろもろもの打ち合わせで。

出陣前のダベリで、イベント脳を、政治脳に切り替えた。


「オリンピック利権は、リベート禁止ですって?ハッそんなの聞いたことないですよ」
「だけどリベート禁止にするとどうなるの。昔のソ連とかそうですか」

「欧州はどうですか。古い町並みが保存されて、ハイソで、土地転がししてるイメージないけど」
タックス・ヘイブンとかスイス銀行とか、他に種銭があるから、土地なんか、どうでもいいんじゃないですか」
「欧州はかなり、サブプライムローン証券とか買ってましたよ、住宅バブルもあったし」
「お前、サッカー・ワールドカップとか、本場のオリンピックの委員に、インタビューしてこいよ。
彼らの汚職の額はハンパじゃないよ。俺たち小童だよ。森も内田も、小蠅だよ」

「例えば、土地転がしで、欧州で大物になった人って誰ですか」
「シシリア・マフィアとかじゃないの。ローマ法王か」
「イメージでモノを言うのをやめましょう。いくらここが、イメージを作る企業だとはいえ。
あまりに嘘が多いと、バカの集まりだと思われます」
「実際、バカの集まりだよ」

「リベートなしだと、誰もオリンピックに興味を持たなくなりませんか」
「あんたは、オリンピックに土地転がし以外の興味がないのか。
オリンピックは競技を見るのが目的じゃないですか。
土地ころがしなんて、オリンピックが100あったら1くらいの要素ですよ」

「純粋にオリンピックを盛り上げようって人が集まります」

「金に興味のあるやつの方が、有能率高いんじゃなの。
金を使うと、多くのことが瞬時に動くし、人々を嫌な気持ちにさせずに働いてもらえるし」
「どこもスポーツイベントは汚職と手が切れないよ。
どうしてそうなるのか。知らないけど。
きっと手の黒くない人ばかり集めてやったら、オリンピックは幼稚園のお遊戯会みたいになって終了だよ」

腹黒政治家と、都庁職員の、汚職の炙り出しで名を上げるユリコの前で、オリンピック利権のリベートをポケットに入れる狸爺なんかを叩けば、ポイントが高い。

さあ、ユリコに会いに行こう。あの女帝の元へ。

 

 

 

イヴァーノは、さらに、人脈を広める為に、役所の都市計画部門へ、アポイントを取った。例の強引な営業手法で。

イヴァーノは、胡散臭い人がやる、変な名刺を作った。不動産投資コンサルタント、とか。不動産関連の資格は持っていた。会社の命令で取ったから。

アプレンティス21の名前は1文字たりとも入れない。あんな会社に貢献なんかしてやるか。

手柄だけ盗んで、相変わらずピーナツみたいな給料しか出さないに決まってる。

それから、「国債の会」で釣れた、獣を連れて行った。遺恨は忘れた。

彼の名刺は大分、豪華だったし。嫌なキーパーソンの利用法は、社長で慣れていた。

国債の会」に出るだけあって、恐らく紙切れになりそうな国債か何かを所有する、もしうはそういう金融や法律のビジネスをしている、資産家寄りの市民だ。

この辺りの富裕層はアグレッシブだった。人種差別的主張も辞さない。

自分だけ行って、不動産の営業です、なんていっても、追い払われるが、しかし高額納税者のニーズに、役所は耳を傾けるかもしれない。

そこに俺がしたり顔で入れ知恵をする、どうよ。しかし、何だコレ、俺はフィクサーか何かになるつもりか。

この獣が俺に入れ知恵のスキを与えるかどうかは不明だが、イヴァーノの手札は増えていた。

「特定の人しか入れない地域ですか。なかなか物騒ですね。大分、選民意識が高いと見えます」

「治安の悪いアメリカで流行する、ゲイテット・コミュニティです。ヨーロッパではどんなもんですか。やはり、市民社会の建前がありますか」

「選民意識も何も、近隣を、道にツバ吐かれたり、黒装束でブラつかれるのは困るんですよ。

一週間以上洗ってない衣服でその辺をウロつかれたり、道端で酒を飲んだり」

「そういうの、昔からありましたよ。集落の入口にゲートがあって、警備員がいて、不審者やヨソモノを追い払う。

暗証番号付きマンションもあります。

ただ、そこにカード認証を利用してなかっただけです。

これからは、そういう流れになるのではないですか」

イヴァーノは、言いながら、コレはキツい世の中になってくる、と思った

たとえば隣にいる獣のような、富裕層向けのセールス。

その営業スタッフが、IDカードを差し出す。即、履歴が分かる。

将来有望なヒラだったら、営業トークを聞くフリをして、個人的に仲良くなっておいて、将来リターンを得ると、顧客は考えて、彼や彼女をキープする。

しかし会社は、そんな頭越しの取引を好まないから、ヒラしか取らないかもしれない。

イヴァーノは、自分の給料が何故上がらないか、何となくわかるような気がした。が、それもこれまでだ。

俺は、自己投資はしてこなかったが、営業の腕には自信があった。

それって、いかにも会社に都合の良い、使い捨て人材。その俺の給料を上げない会社は、やっぱりクソだ。いつまでもクソでいる必要はない。

これから俺は、会社の仲介料を渡さず、顧客と直接つながっていく。

こういうID制になったら、1秒1秒を無駄にできない。俺だけではない、多くの人々がこのトレンドで動く。

自分は今、将来の為になることをやっているか。自分は、他人にとって心地よい人間であるか、この経験は資産になるか。

記録に残ってしまう、チンケな盗みとか詐欺をする人は激減するだろう。少しでも成功したい気持ちがあるなら。

最悪の状態で、ニッチもサッチもいかない袋小路でも、今この瞬間から経験値を積み上げていけば、事態は、必ず好転すると、人々は考えるだろう。よほどひどい精神状態にあるのでない限り。

だけど、しかし一見ゴミにみえて、とてつもないリターンをもたらす、不思議な経験っていうのもあるし、

少年の頃に、暴れたことのある人は、暴れたことの無い人より、人柄に幅があるとか。