グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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The Apprentice21 9

 

報告の相手はコイツでなくても良かった。誰に話せば、俺は幸運の女神の前髪を掴めるのか。何で未だに、コイツの犬なんかやってるのか。

ベンヤミンは社長が、各方面に顔の効く大物だというし。根性を見せたら、認めてくれるか、どうか。すかさず、社長の隣に陣取る部長が、鼻で笑った。

「日本が拡散型遷都する?バカじゃないですか。そんなことで、俺たちハゲタカの攻撃をかわせると思っているのか」

「でも最近、ハゲタカ流行らないですよ。10年くらい前、すごいハゲタカ、ハゲタカ、言ってたじゃないですか。

今の子供、知らないですよ。ハゲた爺か何かと思いますよ。絶滅したんですか」

「産業構造の変化に伴う、M&Aも一通り済んだし。

不良債権を二束三文で買い取って、スクラップ・アンド・ビルドして高値で売り払って差額をポケットに入れたり。そういう土地転がしも、終わったんですか」

不良債権って何だっけ。ヤーさんが居座っていて、客に売れない不動産か。暴落した土地付きの債権のことじゃないのか」

アプレンティス21は、かつて日本のバブルにも噛んだという噂、そんなこと、イヴァーノの入社前なので知らない。

「オイオイ、俺ら、不動産屋じゃないのかよ。毎日、茶飲み話とか、政治に嘴突っ込んだりとかしてるから、本業のことが頭から抜けてるよ」

社長が、ナイナイ、と言う感じで、顔の前で手を振った。ヤベー、俺の貴重な情報が、スルーされる気配。

「日本の拡散型遷都っていう噂は、多分、泡沫です。全然、政界のドンとか出てこないし。ネタ元のルシールは、ただの広告屋です」

「オリンピックが終わったら、日本政府は飛んで、IMFが再建するんだよ。そのときは俺たちの確変タイムなんだよ」

「悪い方に確変タイム、じゃないですか。破たんしたら、良い国有地の多くを売り払うかもしれないが、財政再建の為に、妥協しないでしょう。

高値掴みです。IMFなんて全然、ボロイ相手じゃない。

あらゆる財政再建を手掛けてきた、タチが悪くて嫌な奴らです。イメージで言ってますが。僕らの国とは、無縁だし」

「そうか?俺は米国債、そこそこ、ヤバイと思うけど。そこは腕力で何とかするしかないが」

社長と部長は、勝手にしゃべり、社長のアメリカン・ジョークが、ヌルく辺りを漂った。

部長がイヴァーノの目を見た。

IMFが日本政府を再建する、っていうシナリオはありがちだ。もしくは、それを拒否し、原始人に戻る。

神道とか江戸とかで、盛り上がってる人たちだよ。

もう一方に、未来とかグローバリズムとか言ってる人たちがいる。

破たん後の日本の政治は、その2勢力の激突だよ。下手をすると、法制度から何から、劇的に変わる可能性がある。

そこに無限の儲けの可能性があるかもしれないし、逆に大損をこくリスクがあるかもしれない」

何だこの部長の日本知識とシュミレーション。ガセなのか、本当なのか。伊達に腰巾着やってない。

GDP世界3位の、オリンピック開催国か。しかし、真に受ける前に、探りを入れてみなくては。

「適当なこと言わないで下さいよ。部長は、いつも、そんなこと吹いて回ってるんですか。

つまらない詐欺師だと思われて、相手にされないですよ」

社長も部長も、ニヤニヤしただけだった。

 ナメた態度だ。

こういう胡散臭い商売を続けると、あんまり人格形成に良くないんだろう、とイヴァーノは思った。

こう簡単に指先1つで、右から左へ金が動いたら、いろんなことがバカらしくなるだろう。

イヴァーノの父は勤労者だった。

イヴァーノは不動産が、こういう商売なんて、知らなかった。ただ、流行っていたから、俺の能力で、入れたから。

例えば自分に子供がいたら、やらせたい商売かどうかは、微妙だ。そこに人生観は現れた。

イヴァーノは彼らとは同じだが、違う。俺はハイブリットにならなくてはいけない。

力任せのこすからい取引もするが、努力で栄光を掴む人間へ。ブラック企業の社員だって捨てたもんじゃないと、思うしかない。

 

 


「俺は田舎無双してます。ライバルがいないから。

俺もそろそろ次のテーマに行きたいし、この分野を誰かに託したい。

田舎は、戦闘力が無いです。スライムです。

ゆるキャラとかB級グルメとか、やってるのが、いかにもです。

うちは安いんですって宣伝して、人が来ますか。

うちは弱いですよっていうPRをしても、そこに三途の川を見出した老人しか喜ばない。

田舎自体に、高級人材は東京へ、っていう差別意識すら、垣間見えます。

金を恵んでもらってる、中央からの指令なんでしょうか。カッペは身の程を知れと言う、呪縛が強いのでしょうか」

「そういう経済構造をしてるから、仕方ないんでないの。都心の負け犬しか戻ってこない。イイ感じの広告売って嘘だったら、尚更ヤバイし」

「田舎が好きな、有能人材は、いるよ。そういう人を、集めたいんじゃないの」

「でも圧倒的に足りてない。パラサイトは田舎に、好きでいるわけじゃないし、パラサイトは無能だし」

「イケハヤさんが狙ってるのって、違うタイプですよね。カモ捕獲装置っていうか」

「だって、ゾーマでもフリーザでも、何でも良いけど、レベル99人材を集めないことには、どうにもならないじゃないですか。

従業員はレベル10でいいけど、社長はレベル99でないといけない。

見栄とかダサイとかのレベルじゃない、人が貧困で、大量死するんだよ。史上、何度もあったことだよ」

「イケハヤさんの文章で、ソレが釣れるの?」

「そういうの、よく選挙とか出てるじゃん。資金集めとか集票とか難しそうだけど。

地方の富裕層は、既得権益を手放さないからこそ、大金を蓄えてる。それを脅かす政策は取り辛い。

あと役所でノンビリ上手い飯食ってるやつとかも、要領が良くて頭は良さそうだよ」

「田舎が偏差値75とかにならないと、もうその段階で、足切りは終わってる」

「田舎は偏差値75なんか、狙ってるのか。田舎なんか、奴隷のプランテーションでいいっていう空気だよ。下剋上が嫌いなんだよ」

「東京だって、今更オリンピック誘致するくらいだから、キツキツですよ。偏差値75は生きてない。宝の持ち腐れです。

イベントを起爆剤にして、何か画期的な都市計画でも考えているなら知らないけど。

鮮魚の流通市場を、変な毒箱にしたり、オッサン連中が腹巻に札束を突っ込みあうのを見てると、そうでもないし」