グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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The Apprentice21 12

 

「俺たちはしばらく、ここに滞在して、応募してきた労働者たちの受け入れを手伝い、ホームページの制作のお手伝いをする。

その作戦は分かったよ。

俺たちはプロだから。広告力で偏差値75ってところだね。お百姓さんたちが、偏差値35くらいだったら」

「農業補助金は、大した生産性のないヘボ農家を延命させる。

その余り金は、嫁とか婿とかいう、人身売買の元手にされるだけ。

それで貧しい若い人を売り買いする、老人地主の優遇政策っていう悪評が立ってます」

「例えば農業補助金を、応募者の付属物にするんです。

応募者が工場や農村へインターンして、雰囲気を掴み、納得の行った村へ就職すればいい。そうしたらその補助金は、村で分けるとか。

零細の家内制は、最低賃金の縛りがきかないので、どれだけ奴隷にされるのか、全く信用がないんですよ」

「立場が逆になるだけじゃないですか。若者の歓心を買う為に、村が談合してぐうたらしたら、どうするんですか」

「農業補助金って、ぐうたらしてたら暮らせない額でしょう。じゃあ今の農業補助金は何なんですか。貰った人は全員、ぐうたらしてるんですか」

「地主が取ったりするのは、土地の使用料、っていうのはまた、奴隷商人とか言われるので止めましょう。

その地主たちは、若い人が行かなければ滅びて、その土地はゼロ円になり、若者サイドは入手がたやすい、っていう商売理論もあります。

それが何も、地主が90歳で死ぬまで、奴隷にされに行くことはない。地主が死ぬまで待った方が良い」

「技術指導料が入ってるんじゃないの」

「それは、工場の派遣と同じレベルでしょ。習得するのに、1年もかからない」

「技術指導だったら、職業訓練じゃないですか。厚生労働省

「それは地価と、何か関係あるんですか」

「東京の地価もそんなに上がらないし、ひとまず手広くやっとけってことじゃないの」

 

 

ルシールは顔はイマイチだが、八頭身の白人で、自分を一番良く見せる服の着方も知っている、プロの広告屋だ。広義に言ってD通のメンバー。

D通は、そんな奴ばかり。

日本には、オプザイルっていうのがあるらしい。

高い酒や女、リゾートに散在する姿をフェイスブックやツイターに載せ、

俺たちのススめた株を買えば、あなたもこんな生活ができますと人々を煽る。

商材は、バイナリー・オプション取引で、イグザイルっていう、日本の男性アイドル集団のように次々に増えて行く。

「こんなので人を集めるのは、何か悪い気がするの。

私たちは仕事が終わったらトンズラだけど、彼らは、ここで働かなくてはいけない。

例えば何この写真。私は写真を撮る方だし、撮られる方じゃない。

どこの人も、白人が好きなのは知ってます。世界で白人が、ずっと成功し続けてきたから。

だけど私はアメリカの田舎から出てきて、足元を見られて、安手の広告屋とかカフェでコキ使われてきた身よ。

この手のセレブ詐欺は腐るほど見てきたよ」

「これまで、詐欺広告なんか腐るほど打ってきただろ。あんたも広告屋なら、そうじゃないのか。

俺だって良い育ちじゃないよ。親は地方の小さな薬屋だったし、もう潰れたけど」

「アメリカの就職市場に、日本ほど束縛は無いですから。嫌なら辞めればいいし、中途採用も盛ん。

広告を見ていいと思った人が引っかかっても、彼は仕事を変える自由があるから、こっちの良心は痛まない。

嫁とか婿とかいう習慣もないし。

でも彼らは、都心の生活基盤を失って、この土地に閉じ込められてしまうんでしょ。奴隷商人になったような気分よ」

ルシールは同じ服のまま、中指を立てて自撮りした。プライベートのブログに載せておこうかしら。だけど、誰得?

バレたら首だし。田舎者の怨念は世界共通なのか。

農場主として仕事はするが、マチズモ丸出しで態度の悪い父親、聖書しか知らない母親。

地元の高校生だった自分に募った焦燥感。ここで潰されない為には、早く独立して出ていかなくては。

しかし、マチズモと宗教原理主義の支配する地方に、都心へ出たい人が、独立するのに必要な資源は過小だ。

ここまで生きて来れたのは、父親が働いて得た金で、最低限、文盲にならずに済んだのと、生まれ持ったDNAくらいしか、ないのではないか。

都会へ出てからの、人との出会いと、情報収集への執念。

文化的にあの村は、死んでいた。広告屋に憧れるルシールにとっては。

「それに白人は、就職のときに給料とか待遇とかストレートに聞くし。

日本人みたいに、御社に応募させていただけで幸せです、なんて目上の人に頭を垂れてないと生きていけない、理不尽な商業慣習はないのよ」

広告屋は、ある程度奴隷商人だろ。もしかしたらポンコツかもしれない、クライアントの商品を、チャチャっと最先端に見せて、購買の夢を見せて、人々はその為に働く」

「でも、新しいものを買っただけで、ウキウキして一週間くらい働く気力が湧くことってあるでしょ。

男の人だったら車とかメカとか、長持ちするものなら10年くらい働く気力が湧く。週末ごとに洗車したり、女の子を乗せたり。

ココはポンコツ商品の宣伝とか打つの」

「何がポンコツで、何がポンコツじゃないかは難しいよ。

日本人は几帳面だから、あからさまなポンコツは売ってない。

食うと腹を壊したり、すぐに壊れたり。ダサイものはいくらでもあるけど、誰にも売れなければ、市場から消えるし。ルシールは、何かポンコツ商品の広告を打った経験があるのか?」

「私のいたのは、小さいところだったから。倒産した不動産デベロッパーとか、あんまり美味しそうじゃない弱小ハンバーガー・チェーンとかかしら」