グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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Liam5


クルトはスマホで、彼の最上階の砦に寄り集まる「不特定多数の女」とやらを呼んだ。何なのか、コレは。

親衛隊か何かか。

金髪のネーチャン、黒人のギャル、ラティーノ

スカンピンと言いながら、金を貯め込む。

金を持っているといいながら、実はスカンピン。

リアムたちは、お互いにお互いのことを知らない。ずっとそれでやってきた。

似たような高いスーツを着ている。同じ時間に出勤し、似たような仕事をして、似たような場所で昼食を取る。

同じ空気を吸って、戦友のような気になる、一瞬だけ。

タックス・ヘイブンとか、マネロンとか、あんまり良い響きじゃないよ。

それで成功している人は、一応良いスーツ着て、良い暮らししてるけど、それもギリギリじゃん。

金融工学が、一時期、ルイ16世みたいになったとき、あっただろ。ギロチンで首が飛んだフランスの王様。ウォールストリートで、100:1みたいなデモやられたり」

「誰なんだよ。金融のイメージを落としたのは」

「俺らの会社とかじゃないの」

「でも、アレは理論的には失敗しないっていうことになってた。誰かが悪かったのか。

心配している人はいたかもしれないけど、大きなブレーキはなかったよ」

サブプライムローンを商材にするのがヤバイっていう指摘は、社内には無かったのか。

貧乏人が100倍とかのレバレッジかけて、借金で家買って、金返せるかよ。そいつら、CEOじゃなくて底辺労働者とかだよ。

家ころがしじゃん。転売バブルだってどこかで弾けるのは、歴史が証明してる」

「間違った会社に勤める奴は、いないよ。罪悪感が募って仕方がないだろ。毎日、毎日、自分がクソみたいに思えるはずだよ」

「自分の仕事の内容が、間違ってるか、正しいか、なんて、いちいち考えないだろ。

俺たちは、金、金、金だったじゃないか。90年代初頭、宇宙の次は金融工学だって、盛り上がってた」

「だけど、他の奴だって考えてるか?

詐欺臭い営業、怪しい宗教の勧誘、トップがマヌケのせいでロクでもない作戦に参加する兵士、

患者が死ぬのが分かってて手を尽くす医者」

男性陣は、勝手に盛り上がった。

かつて、世界の金融の最先端にいた、それ以外に何も残っていないような連中、かどうか、リアムは知らない。

これまで、プライベートの話がほとんどでていない。

クルトの、このマンション最上階の砦と、親衛隊のギャル以外は。

ギャルたちは、退屈そうに酒を飲んだり、スマホをいじったりしている

 

 

 

 


「パパは変なオイチャンたちとたちと悪い飲み物をのんでいるんでちゅ」

アルフォンスのスマホが鳴り、部屋に赤ちゃん言葉が漂いだした。何だこいつ。酒に酔っていても、不気味だ。

リアムが驚愕したのはそれだけではない。ギャルたちの反応だった。

「子供いるんだ。すごーい、イケメン」

リアムとクルトが、アルフォンスを凝視した。コイツ、イケメンか。俺らより少し、顔のバランス崩れてると思うんだけど。

「子供いるのは、イケメンなのか?」

「既婚者の方が、グレード高い感じ。さすが、選ばれてる人は違う」

「俺みたいなチンカスじゃないってこと?」

「浮気で奥さんに訴えられると、相当な金が飛ぶっていう噂だよ。姉さん、金ないんだろ。気を付けろよ」

ラティーノが肩をすくめた。

「私、そんなの狙ってないし。普通に白人男性と結婚したいの。浮気願望とかないから」

「白人男性かよ。生々しい話だな」

「アルフォンスは、いつ結婚したの」

「バカみたいなんだけど、転職活動中だよ。前の会社で、かなり貯金あったし」

職が無くても貯金のある男が存在する、というデータがギャルたちにインプットされたが、初見の男の貯金の有無を判定する基準がないから無意味だ。

お兄さん、貯金いくら、って、普通に聞くのは、金融商品のセールスなら可能だった。

その証券屋が潰れたから、私たちはここにいるんだけど。

ギャルたちをたまに居候させているクルトは、仕事をしている頃、この営業部隊のギャルたちの、大した識別ができなかった。

ただ、黒人とラティーノは1人しかいなかった。黒人やラティーノの顧客なんて、少ない。

もちろん、カラードの中産階級は増えていた。それから、そういうのが好きな白人の顧客もいた。

「でもこいつの赤ちゃん言葉は不気味だろ。コレが本当にイケメンか?」

「子供を可愛がっている男の人は、イメージ悪くない。萌え」

「少なくとも、虐待してるより良いよ。子供を殴る奴は、女も殴るだろうし」

「でもヒモは駄目。オスとして、どうしてもこの人の子供が欲しいくらい思わせないと駄目」

「で、こいつはそのハードルを越えているのか?」

「仕事バリバリやってる男の、子煩悩な姿の、ギャップ萌え」

アルフォンス無双。リアムとクルトはクサクサした気分になった。

俺たちのオフィスに、子煩悩な奴なんていただろうか。いたとしても、気が付かないし、

遅くまで仕事場に詰めていたから、あんまりいないんじゃないんだろうか。

取引先に、子供をコネ入社させる爺くらいはいたか。デスクに子供の写真を挟んでいる奴も、いたかもしれない。

が、社内で子供を抱きかかえたスーツの男には、まずお目に書かれない。

「俺の親衛隊のギャルたちのハートを掴むとはけしからん奴だな。今日の酒代は全部払って貰おう」

「可哀想じゃん、アルフォンヌは既婚者だよ。彼のお金は、家族の為に使うべきものよ」

「俺が払うのかよ。姉さんたちが、他の男を選ぶのに?それっておかしくない?」

「選んでないよ。俺は姉さんたちをベットに連れ込まないし、このまま家に帰る。それって選んでない。ただ彼女たちは、子持ちの男性が意外とイケてると言ったに過ぎない」

「連れ込むか連れ込まないかは、関係ないよ。俺をアゲてくれない女に価値は無いよ。俺は荒れてるよ」

「懐の狭い男だな。俺は払うよ。たまには駄目出ししてくれる人ってのも貴重だろ」