グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

人に見られたくない話はninjaid2000@gmail.com

霞が関のホームレス1


「ケケは人を殺しています」という証言は多いが、

逆に、ケケを殺したいと思っている人も、1万人を下らなかった。

あいつは憎まれているね、愛嬌ってもんがないし、人に頭を下げることも知らない、ということだ。

財政界には、逆のことを言う人が多い。彼は、天性のコミュニケーターだよ。二面性があるのか、裏の顔があるのか。

サーノは、ひどく狭いボロ家の中で、天井に頭をぶつけないように、体を丸めて相手の話を聞いていた。

「その職場で人が死んだんだよ。2人。ケケは何もしなかった」
「つまり、労災を出さなかったってことですか?」
「ケケが殺したんだよ」
この取材は、ハズレだ。

サーノはこれまで、100人以上の元従業員などに、話を聞いてきた。

だたの恨み節みたいなもの、本当にありそうだが、1人では裏が取り切れないことなど、いろいろだった。

 

 


中川の住居は、タワマンの最上階だった。

エレベーターが最上階にたどり着くまでに、乗っては降りていく住人たちが、サーノを胡散臭い目で見た。


俺はきっとハイエナみたいな空気を出しているのだろう。

服装はきちんとしているつもりなのだが、染みついた雰囲気は取れない。

中川は、広い応接間のデカいソファーに座り、サーノのことも、向かいにもう1つ置いてある、デカいソファーに座らせた。

ケケの人材派遣会社の共同経営者をしていたこともあるという、中川だ。今の職業は、不動産経営、とホームページには書いてあった。

「あの頃の中国では、猫も杓子も日本の、パクリっていうのが流行っていてね。

何しろ新幹線から、家電まで、何から何まで日本のパクリだった。あの頃は」

頑丈そうな体つきの中川は、このご時世に堂々と煙草を吸い、サーノの顔に吹き付けた。

確かに、自分の部屋の中でタバコを吸うことは、禁止されていない。


「それで、日本でそろそろ叩かれ始めていた、軍隊式の社員研修の会社を、中国へ持って行ったら、コレが受けたのよ」

「ケケさんと一緒に」

「そう、ケケさんと一緒に」