グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

人に見られたくない話はninjaid2000@gmail.com

霞が関のホームレス7


陽太へ。

この前は、公園でやっていた野外コンサートの警備員をやりました。

僕たちは、これまで勉強してきたこととは、全く関係の無い仕事をやるハメになることもあります。

なんで、陽太も受験勉強もほどほどに、何か大切な体験になるようなことを探してください。

何って言われても、困るんだけど、友達と遊ぶとか、好きな本を読むとか。

パパはずっとパパなんだけど、もう昔のパパじゃないと思う人もたくさんいます。

そのうちそっちへ帰って、そこで就職先を探すかもしれません。

手ぶらで帰ったからと言って、ケリを入れるのは無しだよ。

お母さんに、帰っても迷惑でないかどうか、聞いておいて下さい。


渡辺は、陽太に、この文章を送るかどうか、迷った。かなりダサい文面だ。でも、ダサくない文面って何だ。

課長に昇進しました、とか。

一日署長で、スマップが来ました、とか。

受験勉強はほどほどに、か。

俺は10年間ここにいて、ここにたどり着くまでに20年くらい勉強していたことを、後悔しているかどうか。

俺の人生は、何だったのか。

 

 

 

 

サーノとケケは、霞ゲートの近くの公園で落ち合った。

「どういうデータが多いか興味がありますか?

人を殺しているっていうクレームが多いですよ

私も本当なんだったら、警察に調べてもえらえばいいと思うんだけど、

ほとんどの人が、真顔で言うんですよ」

「そんなの、僕もしょっちゅう言われてるよ。僕のせいで10万人以上の人が死んだとか、

金融改革大臣は死刑執行人だとか」

ケケは金融改革に大ナタを振るった。

それで不良債権の多い金融機関が整理され、10万人以上が路頭に迷ったというが、それは避けられなかったことだ。

「ケケさんが、在野にいた頃の話ですよ。派遣先の工場で人が死んだのに、労災を貰えなかったとか。

あと、サラ金で資金回収していたときに、客をコヅいていて殺してしまったので、空き地に埋めたっていうのがあります」

「で、それ警察に調べてもらうつもりなの?」

「無理だと思いますけど。警察が動くほどのことじゃないですし」

「前に、あんたはソンヂョンイの伝記で、チョン、チョンって連呼したみたいだね。豚小屋みたいなところで育ったとか」

 

 

 

 

「僕は法律助手か何か、やろうと思うんだけど。法学部だし、元官僚なら、雇ってくれないことは無いかもしれない、聞いてみないと分からないけど」
「それなら法科大学院へ行ったら?司法試験に受かってないと、足元見られるんじゃないの?」
「3年かかるけど、いいの?
大学はお金がかかるから、貯金を取り崩すし、その間、家にお金が入らないよ」

生涯賃金で見てそっちのほうが良いなら、そっちの方がいいんじゃないの」

 


田伏たちは、インタビューに出て欲しいという打診を受けた。

「セルフブランディングって、アンダー橋首相が編集してた雑誌ですよね。

何でこんなところに来るんですか?」

「何やってますか?結婚詐欺師やってますって言うの?セルフブランディングからは、かなり遠いところにあるけど」

「あのバイト、まだやってるの、桜木さんだけじゃないですか。

女性心理が分かる。婚活女性向けの、カウンセリングを開ける、とかいって。調子のってますよ。

そういうの、占い師崩れとか、精神科医崩れとか、いろいろな人いますよ。オッサンが飛び込みで入って相手にされるほど、甘くないです」

「桜木さんは、元財務相のエリートなことは確かだし、見てくれも悪くないよ」

「女性を偏差値で分けたり、ロクなことしなそうだし、止めたほうが良いですよ。

それで、元霞ヶ関官僚、女性を品定めして、この世の中の贅沢の限りを尽くす、とかかかれて死にますよ。桜木さんは、かなり、足踏み外してます」

「このセルフブ・ランディングっていうの?すごいネーミングですが、今まで、霞ゲートで誰か出たことあるんですか」

「僕が見たときは、介護事業で起業した、元厚生労働省の人とか載ってましたけど」

「介護事業って、かなり渋いビジネスモデルじゃないですか?あんまりお金取れないし」

「高級老人ホームだったので、身入りは良いんじゃないですか。パンフレットに、元厚生労働省なんて書いてありましたよ。箔付けに。

そうしないと、ワタミの人や、ジュリアナの人みたいになっちゃう。

本当にその仕事が好きで、あんまり利益とか要らないっていうなら別だけど」