グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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AIIB丝绸之路=西亚=铁路3


「ナディームちゃん、それ豚肉だから」

「ハア、嘘こけよ。ドハさんだって、食ってるだろ。

親方の食ってる、あの肉と、俺の肉は、同じなんだよ。

ドハさんは、敬虔なイスラム教徒で有名だ。

親方は、仕事中に、一日五回礼拝してる。忙しいのに、勘弁して欲しい。俺たちも巻き添えを食ってる」

「ヒャッハー、これは黒部豚でーす。肉の色が牛に似てる」

シャヒーンは、炊事場へ入って戻ってくると、ナディームに黒部豚のパッケージを見せた。

どう見ても、赤いし、牛肉に見えるが、ラベルには豚と書いてある。ハラール認証のマークは、ついていない。

 

 

同僚とのトラブルで作業員をクビになったシャヒーンは、脱線事故の現場近くで、自分が途中まで路線を敷いた、新幹線を眺めて過ごしていた。

トレイン・スポッティングだ。前に仮眠所代わりに入ったシネコンで、レイト・ナイト・ショーでやっていた。

このアラブ圏で放映されたのが奇跡みたいな、ヤク中の映画だ。

西アジアシルクロード鉄道の連中が、イギリスのネガキャンでも貼りたかったのか。

そのシネコンは、鉄道会社の系列だった。

油田の恩恵を受けている為か、経済計画が進まず、

経済特区などを除いて、慢性的失業状態にある、アラブ圏で、人夫の仕事は、いい収入になった。

シャヒームの懐具合は、あと2年くらいは無職で暮らしても、大丈夫そうだった。

脱線事故の翌日は、車両が通らなくなった代わりに、人が集まってきた。

彼らは重機を持ち込み、地面を掘り返していた。

シャヒームは、驚愕した。え、そこ掘るの?

 

 

 

ナディムは黒部豚のパッケージを持ったまま、シャヒーンを、説教爺の前へ連れていった。

説教爺は、子供の頃にシャヒーンたちがつけたあだ名で、白い立派な髭を蓄えた彼は、一応、地域の顔役みたいになっている、律法学者だった。

信仰心の厚い人は、彼らを信頼している。

「この肉は、ショッピングモールの地下にある、スーパーで買ったんですよ。中国資本のデカいあそこですよ。

俺のせいじゃないですよ。

あそこは大量購入すると、安い。

調理場のやつが、この予算でやれって言ったから、おれはこの謎肉を買ったんですよ」

説教爺はパッケージを手に取って眺め、それからナディームに返して、手を長衣の袖で拭いた。

「この肉は、安かったのかね」

「1000ペソくらいは安いですよ。青空市場で買うより」

「それで、あまった金をポケットに入れた」

「まあ、青空市場で買ったほうが確実かもしれん。目の前に牛がブル下がってるし」

牛を砂漠で飼育するのは難しいし、貴重品で、高い。

ショッピングモールやスーパーマケットは、ここの人たちの食生活を劇的に変えた。鉄道や道路が、物流を変えた。

 

 


「問題は、こいつが俺と親方に、豚肉を食わせたってことなんですよ。俺はこいつを殺したい」

説教爺の前で、殺すとか、殺さないとか、こいつちょっとおかしいんじゃないのか。シャヒーンはナディームを落ち着かせようと思った。

「お前は、いつからそんな敬虔なムスリムになった?

この間、ガールズバーで、酒を飲んで、いや、密告合戦は止そう。

俺たちは友人じゃないか。

豚肉を食ったとか食わなかったくらいのことで、殺すとか殺さないとか、そんなのは、アラーもお喜びにならない」