グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

人に見られたくない話はninjaid2000@gmail.com

AIIB丝绸之路=西亚=铁路7

 

サミーアとナウラは、歩き疲れ、中華系のショッピングモールに入っているマクドナルドで休憩した。

注文カウンターで、サミーアは、豚肉入りのハンバーガーを指差した。

ナウラは思った。こいつは、根っからのバカなんだと。

しかしナウラは、何となく負けた気がして、自分も豚肉入りのハンバーガーを注文した。

「サミーアは、何で女装するの。変態なの」

女性専用車両とか入ってみたかったし。それに、お前に、女みたいって言われたし」

「サミーアが、女みたいっていうのは、否定しないけど。

下手をすると、私より綺麗かも。

でも、ここで男が女のフリなんかしたら、どうなるか、分かったもんじゃないわ。

亡命でもするつもりなの」

「俺を男として見て」
「それは無理」

「見れないのかよ。じゃあ、女でいるしかなくない?」

「その女装いつもやってるの?

確かに、ずっと女の姿でいれば、女だと勘違いされるってことはあるかもしれないけど。

誰もブルカを脱がして確認なんかしないんだし。でも地元にいる限りは、無理ね。みんなサミーアが男だってこと、知ってるから」

 

 

 

 

 

この金のテーブルとイスは、いつ座っても落ち着かない。

統括部長は、純金かどうか、聞く勇気もない。

董事長は平然とくつろいでいた。煙草が置いてあったら、吸いそうなくらい。

ナヒヤーンの王子の口から信じられない事実が出て、統括部長は浮足立った。

「メンテナスに、違う会社を入れた?嘘でしょ?

エンジニアは、自社以外の規格なんて、普通、分からないですよ。

役に立ちませんよ。危ないし、止めて下さい」

ナヒヤーンの王子は手を三角に組んで微笑んだ。

「だからあなたたちが、研修で教えて下さい」
「何でですか」

「彼らは、ヨーロッパの各地で人員カットされてきた、エンジニアです。

腕は悪くないですよ。

それに、彼らの上に立つ、倒錯した喜びが味わえるかもしれないですよ」

「ハア?面倒臭いし、やめて下さい。
彼らはすぐストとかやるし、要求キツいし。本心ではチンクとか思ってるし。ものすごく、やりにくいです」

「戦車で線路潰すとか言われて」
「嘘でしょ」
「嘘だけど。アラブ情勢が、ややこしいことは、あなたたちだって知ってるでしょう。

いくら事故調査したって、何も出てこないかもしれないですよ」

「王子はいつも冗談キツいです。

だったら、地面より空の上を調べたほうが、良いってことになるじゃないですか」

「お宅は、やろうと思えば、できるんだから、上の人に頼んでみたらどうですか。

ウチは空とか関係ないし。

私は脱線どころか、爆殺されてたかもしれないんですよ。セルビアの王子だったら、殺されてた。記念祝典なんかに出るから。チンクに日和ったと思われて」

 

 

 

 


「現地人の雇用は、いつも課題だったじゃないですか。

他人の領土で事業をやる以上、いつも出稼ぎ人夫を引き連れて、焼畑するわけにはいかない」

「ヨーロッパのエンジニアは、現地人じゃないじゃないですか」

董事長は、動揺しても顔に出ない。
統括部長はウンザリしていた。そいつら、使うの、俺じゃん。
ナヒヤーンの王子との会見の結果を伝えると、他の幹部もザワついていた。

「この路線は、フランスとかドイツも狙ってたっていう噂ですよ。採算が立たないから止めたみたいですが」

「白人従業員は、俺は怖いよ。三菱のセクハラ裁判、タカタのエアバック、トヨタのブレーキ故障、ああいう目に合うんですよ」

「後半の2つは、従業員と関係無いと思うんですけど」

「なら、日本人を呼ぼう」

「逆に嫌がらせられますよ。日本人が中国人のこと、好きなわけがないし。

元々、この鉄道は、思いっきり日本の新幹線のパクリですからね、何から何まで」

 

 

「イギリスが、戦車でひき殺すと脅した?鉄路って戦車で潰れるんですか?」

「空からレーダーとか磁気とか何かで、鉄道運行の系統を故障させて、事故を起こしたとか、そういう噂です」

「そういうのって、どうやってやるのかね。私は技術に詳しくない。ぜひ、知りたい」

「まあ、意味のない言いがかりですけど。昔からそういうのありましたよ。

アメリカなんかで、宇宙人に連れ去られるとか、

NASAが宇宙人を飼ってるとか。麦畑にミステリー・サークルが出来て、キャトル・ミューテーションされたとか」

「キャトル・ミューテションって何ですか?」

誰も煙草を吸わない。机の上に、来客用の紅茶が2つ。ダウニング街は、今日も平和だった。