どうでもいい

言及先、リンク先と私には関係がありません。 結果的に関係が生じても責任を持ちませんが、そこまで影響力がないんで気にしないで下さい。

鼻毛会長2

 

「パチンコやめますか。人生やめますか」

ユリはお菓子を買う為のお小遣いを調達しようと、ママのところへ来て、元町の机の上にあった原案の、太字のゴチック体を読んだ。

覚せい剤やめますか。人間やめますか」

1980年代の公共広告機構のパクリだが、彼女の世代の人は知らない。

自治体の啓蒙ポスターは、このレベルでどんどん通った。ダサい方が通りやすかった。美大卒の元町にとっては、虚しい限りだ。しかし自治体の仕事が、一番ボロい。

正体不明の小さな会社みたいに、未払いで逃げたりは、まずしない。

「パチンコ、パチンコか。ノノちゃんのお爺さんが、退職してから老け込んで、パチンコにハマってるんだって。知ってる?貰った年金を全額使い込んだりとか、よく喧嘩してるよ。

人生やめたのかな。このポスター上げようか」

知らねえよ。元町は財布から小銭を出して、ユリに渡した。

「ポスターごときでパチンコをやめるような人は、元からパチンコなんかやらないよ」

元町もパチンコ止めろなんて、ポスター、作ったことは無い、アレはボロそうだった。逆にパチンコのCMも。パチンコメーカーは、昔、金余り過ぎて、ハリウッドスターなんかを出してたんだから。パチンコとドサ周りのハリウッドスター。

「警察の人も、パチンコやめろと言ってみたり、パチンコメーカーに天下ったり、忙しいよ」

元町は、もう1人の社員の本田を招き、自宅をデザイン事務所にしていた。

本田は独身で、子供向けのマーケティングに興味があった。

「テレビゲームとポケモンってどっちが面白い。ポケモンドッジボールって、どっちが面白いと思う」

ユリはコレに答えると、たまに1000円くらい貰えたり、彼女は面白いっていった漫画とかをくれることがあった。このオバ、もとい、お姉さんは。お母さんの部下。

「ノノちゃんはポケモンが好き。ポケモン集め過ぎて、捕まえたモンスターくれとかみんなに言われてる。暇人なんだよ。

でもドッチボールは嫌い。ボールが当たると痛いから」

「インドア派なんだ」

「そうでもないよ。サッカーやったり、自転車で遠いところへ行くとか、好きだよ」

「フーン、以外と普通なんだね」

「普通って何なの?」

「エッ?アッ、まあ、昔のオバさんたちと、やってることが同じってことだよ」

「ソレって普通?」

「エッ」

本田がリビングの方を見ると、テレビの前には、コントローラーのついた箱が接続されていて、音量を落とした、控えめなピコピコ音とか、たまに爆音などがこっちへ響いていた。

テレビ画面では、火花が散ったり、人のクビがもげたりしていた。

ユリの妹が、男友達とテレビゲームをやっていた。ファミコン世代の本田にとって、最早何の機種か不明だった。

「アレ、やったことあるの」

お前はやりたいのか、という目で、元町が本田を見た。

「あんまりないよ、3回くらいしかない」

「暇なときに、相手しろとか言わないの」

「暇じゃないし」

「どっちが?」

「どっちかが暇なときは、どっちかが暇じゃないんだよ、だいたい」

姉妹は、テレビゲームとスマホいじりは一日2時間というルールを、大枠で守っていた。

友達が来て盛り上がっているときは、オーバーしても多めに見たりって。

スマホいじりは、外でやっている分は、知らない、だって把握できないし」

「彼氏とかいたら、どうすんの」

「そう見える?ユリが?」

「5歳とか年上の」

「それお前?」

ピコピコ音が、あたりに充満していた。

「だってユリちゃんは」

「何なのよ」

「お母さんに似て、やり手だからね」