グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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Christian Joke10


イラクに駐屯するアーリンの元に、弟とパパから手紙がきた。

ムスリムのジハーディストを何人殺した?俺は姉貴が誇らしいよ。俺も兵士になるかもしれないし、違う職業についたって良いんだけど。

アメリカを荒らすムスリムには天罰が下るべきだ。

オバマだって怪しいもんだが、あのくらいやってくれれば、黒人でも許せるけど。イラク人はあまりに凶暴過ぎて、手におえないんだろう。爆殺されないように気を付けてくれ」

「エイミーが十字架を外した。もう神の愛人は止めたってことだよ。

お前はけっこうママと仲良かったよな。お前は熱心なクリスチャンじゃないのに。エイミーは何を言うと喜ぶんだ?

俺はママにあんまり相手にされてないから、どうしたらいいか教えて欲しい」

どっちも身勝手な内容だったので、アーリンは逆に安心した。

初っ端から、怪我を負い、戦果を上げているかどうかなんて、聞かれたくない。

 

 

 

アシュリーは酔った拍子に、目の前のいじめっ子へ、気になったことを聞いた。

イラクで、Bポイントまで俺を護衛したことあっただろ。俺は技術者だったから」

「覚えてない。俺はずっと歩兵だから、そういうのよくあるし」

「俺みたいなヘタレ野郎を、護衛するの下らないと思わなかったか。仕事だから気にしないか」

「お前はヘタレ野郎じゃないじゃん。俺はお前みたいな技術は持ってない」

「ブッシュが聖戦とかいうの、どう思ってた?お前って信心深いタイプじゃないよな。十字架を首からぶる下げたり」

「いいんじゃねーの、聖戦。インディー・ジョーンズだっけ。ソレは聖杯?」

「トランプは聖戦とか言わないだろ。

俺はトランプの口から、聖戦という言葉が出てくるのを聞きたい。できれば中指を立ながら言って欲しい」

「聖戦くらい、誰でも言うだろ。マイケル・ジャクソンとかは、言わネーかもしれないけど」

「トランプが聖戦っていうと、聖戦って何なのかって思わない?」

「俺の知り合いの奴、イラク出身なんだけど、十字架してたよ。そういうのが聖戦なんだろ。知らないけど。

俺はソイツに勧められて、ミッキーマウスと髑髏のネックレスをしたんだよ。

万一死んだら、笑えると思って」

「ソレは聖戦なのか」

「司令官がクソじゃないければ、俺は大義の中身なんてどうでも良いよ。

敵だってコロコロ変わるに決まってるし、いちいちついていけない」

「俺も、イラクとシリアの違いとか、良くわかんない」

「だからそれがアメリカなんじゃん、四方を敵に回しながらも生き残る、グレーテスト・アライブって感じのが。地球上に、誰かが生き延びる努力を否定できる生き物はいない」

そいつはツッコミどころが満載だ、アシュリーは思ったが、でもコイツらを理屈でコテンパンにのめし、彼らなりの良心のありどころを否定し、彼らがそれで死んだら、俺も死ぬ。衛兵のいない技術兵。

テロリストに誘拐されて、どこか暗い穴倉で一生、人々を殺す為の爆弾でも作らされるのがオチだ。

 

 

 

「お前の彼氏は、イラク人かよ。お前のジョークは高度になってきたな。ハハハ」

アーリンはパパを、一応外へ呼び出して正解だったらしい。ロイは困惑していた。

ロイは遠慮がちな目で、ソヘイルを見ていた。適度な体つき、丁寧な物腰。

コイツは駄目な男じゃなさそうだ。見た感じ、アラブ人臭いということを除いては。

「俺とエイミーはせっかく仲良くなりかけてるんだよ。

どうしようか。またどこかで、コッソリ会おう。家に連れて来るのはヤバイ

クリスはあんなんだし、エイミーだって俺にどこまで心を許しているかは怪しいもんだ。

キリストに勝てる奴なんていない。俺の相手は悪すぎる」

ソヘイルを、やっぱりママとクリスは認めてくれないか。アーリンは、落ち込んだ。

こういうことは、よくあるんだろう。

1970年代に、ベトナム反戦運動していた人だって

世界大戦で枢軸と死にもの狂いで戦った親世代との確執があったかもしれない。

アーリンは除隊して通いはいじめた看護学校で、特に困ったトラブルは起きていない。適応できそうにないとか。

私はソヘイルを選ぼう。家族と少し疎遠になっても仕方がない。