グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

人に見られたくない話はninjaid2000@gmail.com

КГБ future2

 

広々としたバスケットコート。観客席から、ニガー、殺せ、などの声が飛んでいた。

白人客もいれば、黒人客もいた。アジア人もいた。

まるでボクシングだとゴールドは思った。

ネオナチやコサックが、たまに地下リングでやってる、アレ。

ゴールドもたまに見に行くことがある、シャレで。大して興味がないが、客は殺気立っている。

バスケットボールは、もっと紳士のスポーツのはずだ。ルシーアの客の多くは、酔っ払っていた。酒の空ビンが飛んでくることもあった。

でもゴールドたちは、それが気になったことはあまりなかった。

仲間同士でも、クソとかファックとか言い合うのは慣れているし、俺らの客は、気が荒いだけなんだ、多分。

 

「お前らの肌は黒い。または、褐色。もちろん、白い奴もいる。

全員、闘士だ。

10年後、お前らの半分以上は街で飲んだくれて、通行人の財布をすったり、気の毒な同胞を刺し殺したりする。

今のお前らには、分からないだろう。

お前らは奨学金を貰ってここへ来ている。

感謝して神に祈れ。

目の前の試合に全力を尽くせ。

俺たちに、他に出来ることは無い」

監督がいつものように、檄を飛ばした。

そういうのが、ゴールドの高校時代の思い出だ。その感覚は、優等生だったジュワニも共有しているはずだ。

彼も高校時代までは、バスケットボールの選手だったのだから。

逆にゴールドは脳みそがないし、スポーツの才能がずば抜けていたから、プロの選手への道へ進んだ。

 

 

 


「ルシーアの兵器は西側に大幅に後れを取っている。

ガガーリンソユーズの栄光から、ルシーア人たちは、離れることができない。

ツアーリは見栄を張るな、兵力がモノを言う。

そのジャンルに限っては、西欧諸国と連携するべきだと思う。俺たちは同じ白人だ。

科学技術の果実を、分かち合うことが出きる」


小雪の降る街での行進を、ナイジェルは、後ろの方を歩いた。ネオナチの集会は、これといってやることはなかった。

敵情視察、といってもやることがない。俺はどういうつもりなのか。いつか西側メディアとやらにチクるつもりか。ネオナチに、黒い犬として飼って貰うつもりか。

数台のジープに乗り込み、ニガー・マスト・ダイ、などと書いた大きな旗を振り回したり、

街に屯する、黒人狩りをやったり。

ジープが無いときは、徒歩だった。

彼らが、ジープをどこからパチってきたのかは不明だった。ネオナチのメンバーには、ルシーア軍をクビになった元軍人もいた。

ルシーアに最新技術は無いかもしれないが、昔から、廉価で使う兵器の人気が高い。手荒く使っても故障しにくいカラシニコフに、頑丈な戦車が、世界を席巻した。

今日はそのジープがない。

しかし、徒歩なら徒歩で、ブーツをはいた沢山の足が、街の石畳を蹴る規則的な音がして、彼らを陶酔させた。彼らの足音は、一面の雪に響いて消えた。

通行人が数メートル前から彼らを見つけると、手前の角を曲がるなどして、よけて通っていく。昔のイスラミック・ステイトみたいな、白地のキリル文字の書かれた、大きな黒い旗がトレードマーク。

ナイジェルは、とりあえず、ニガーマストダイの大きな旗を振り回して、黒人を狩っていない、という疑いを掛けられないようにしていた。

ネオナチの列は、小さな売店の前で、休憩を入れた。

ナイジェルの隣に男が座った。

「お前は、何でこの集会に出てるの」

ナイジェルはギクリとした。

声を掛けてきた黒フードの男を、マジマジと見つめた。ファック。こいつも顔をおしろいで塗ったくってやがる。

唇と目の周りが汗でハゲて、黒い地肌が露出していた。

「俺は白人になりたいんだよ、分かるだろ、ニガー」

「それで顔を白く塗ってる」

「そういうお前はどうなんだ。お前の顔もだいぶ白いぜ」

「残念だったな。俺はKGBの犬だ。お前みたいな奴を探してる」

「待てよ、俺とお前がどう違うっていうんだ?」

「違うな。天と地ほどの差がある」

「そんなわけがない。何なら、そのKGBってやつのところに連れて行ってくれよ。お前と同じ役をやってやるから。

黒い犬が二頭だ。心強いじゃないか」