グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

ポリシー:ちきう上からポコラーを絶滅しよう。嫌がらせノー、駄目、絶対。

КГБ future3


白いヤギの中に紛れ込んだ、黒いヤギ。

デュークは、ナイジェルの正体を、ネオナチの集会の最中に、バラすのは止めた。

そもそもデュークの正体自体が、秘密だった。

KGBの仕事は、異民族の監視だけではない

ネオナチの動向も把握しておく必要があった。

ルシーアは治安が悪いから、秘密警察の数はどうしても多くなる。

「コイツがネオナチの集会に出ていた、ニガーです。どうでしょう、バカっぽいツラしてるでしょう」

「俺には、どっちも似たような顔に見えるけど」

ナイジェルがデューク連れていかれた先には、腕に入れ墨の入った、ほとんど少年みたいな、ひょろ長いロシア人がいた。

デュークの直属の上司、といっても、麻薬の売人を装った、囮捜査官だった。

その身分すら、デュークに、本当かどうかは、分からなかった。

麻薬の蔓延、テロリズム、酒の密売、ルシーアの警察は忙しい。

囮捜査官は、皮ジャンを着て、腕の入れ墨を見せていた。

こういう格好の方が、チンピラに警戒されなかった。

「仕事が欲しいの?」

「その通りです」

「他に仕事してないんだ」

「普段はセメント運んだり、レンガ積んだりしてます。今日は休日です」

「フーン。まあ、いいよ。見た感じ、お前は、適度に頭が回り、適度にバカそうだ。そういう奴らが、俺らは欲しい」

 

 

 


それは、ネオナチの集会なのか、ただ屯って飲んでいるのかは、区別がつかないことも多い。

「お前、ウクライナ人っていう顔してるよな。実際そうなんだろ。

お前は地元の治安の悪さを嫌って、あの辺から、ここへ出てきた」

唐突な牡鹿の絡みに、ミハイルは、返答に詰まった。ウクライナを踏み荒らしているのは、ルシーア当局だ。

ミハイルの隣には女がいて、彼の肩にしなだれかかっていた。彼女も貧しくて、やっていることはほとんどビッチ、

それで、あまり綺麗な格好はしていないが、金髪のルシーア人だった。

だから牡鹿は、女のいるミハイルが気に入らなかった。何かイチャモンをつけたかった。

ミハイルは、女の手前、売られた喧嘩を買った。

「お前は、俺がウクライナから来たって言ったのを、俺から聞いただけじゃないか。牡鹿よ。

ウクライナ人っていう顔っていうのは、どんな顔なんだよ。お前はウクライナ人がどういう顔か、知らない」

「知ってると何か良いことあるのか?」

このグループのリーダーが目を上げた。彼はKGBの犬だった。

つまらないことで、彼らに反乱を起こされるのは得策じゃなかった。

ネオナチは、気が荒いから、くだらないことで内乱した。

「何人だっていいじゃないか。

俺たちは黒人を嫌ってる。それだけで、それ以外のことは、どうでもいい」

リーダーがたしなめると、どちらにしろ大して面白い話じゃなかったから、彼らは黙って酒を飲んだ。

ミハイルは、本当はドイツ人だった。

遠い昔、東欧へ移住していたドイツ人で、

ナチスソ連侵攻のときに、故郷は踏み荒らされて散り散りになった。

彼らは、戦乱を逃れて、ウクライナへ住みついた。