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1、このサイトは書き直し中で、文章崩れています

追々直すので少し待ってください。

Trans-Pacific Partnership2

 

 自分はベトナム戦争の生き残りです、東南アジア外交の、架け橋に利用して下さい、とか適当なことを吹いて回った。

変な奴は湧いてくるし、10人に9人くらいはそうだから、場所は選ばないといけない。

「偽造パスポートが欲しい?戸籍を売って欲しい?何で?」

「何でって言われても困るけど」

コイツ、マトモな奴に見えたヤーサンだったか。

「日本の住人票は、俺の大事なモノだから。あとここに書いてある公営住宅に立ち入りするなら、俺通報するけど」

相手は逃げた。公営住宅の住人はアホだったから、もういくつか契約をしてしまった。

高卒の彼がマトモな場所に出入りするには、交渉術と教養を身に着けるしかない。アルバイトで貯めた金で、何度かベトナムも回った。

オバマ大統領の勇姿などもあり、外人が人種差別を受けるフェーズは過ぎていた。

そう考えないと俺は、あのションベン臭い公営住宅で飲んだくれてる連中と同じになってしまう。

俺は日本人で、ベトナム人だ。日本側の利益をないがしろにせず、コネを使って商談の1つでも取ってくれば、日本人は潤い、俺は良い客だ。

ASEANと日本で、経済共栄圏を築くみたいな噂は、浮いては消えた。

金持ちと働き者、この組み合わせがいつだって最強だった。

働き者は、働くと豊かになり、投資したお金はいろんな資産になって帰ってきた。

小さなパイプはいくつもあったが、包括的にはどうなっているのか全貌はハッキリしなかった。

東南アジア各国は、現地の政争の際にはどうなるか、中国の海洋進出の影響をどう被るか。

ブロック経済、関税協定の、環太平洋パートナーシップ、TPPをアメリカが蹴り、後にオセアニアと東南アジアと日本が残された。

 

 

 

「俺は3回くらい知り合いに掛けたら、アウンサン・スーチーやドテルテ辺りに会えると思う」

グエンはある日、チャオという気さくな華僑と知り合った。

「3回なのかよ。6回じゃないのか、その知り合い仮説」

「それだけ、華僑のネットワークは大きいよ。嘘だと思っても良いけど。

マトリクスふうに言ったら、華僑・イズ・エブリウェアだよ」

またこの手か。大言壮語をカマす、こういう奴はいくらでもいた。大抵がお行儀のよくない奴ら。

インかアウトで言ったら、アウト。

グエンは日本流の謙虚な姿勢の方がしっくりくるし、少数民族の居候である自分はずっと、そのように振る舞ってきた。

「だけど、俺は中国語できないし。華僑は日本人を敵視してるのか?」

「別に。日本だって華僑のネットワークの一部だよ。俺たちの脳内ではね。敵も味方も無いよ。中共じゃないんだから」

グエンはチャオをジロジロ見た。たまには他人を無遠慮にジロジロ見るのも、ナメられない為の手段だ。相手は、吹かし屋なんだから。だけど、東南アジアに、華僑の大財閥が多いのは事実だ。

「仮に日本が、アメリカ抜きで、オセアニアや東南アジアとTPPを結んだとして、華僑は関係ないんだろ。

華僑は、どんな経済圏に入ろうと、無双するんだろ。ああいうのに左右されるのは、政府のケツモチがないと生きていけないローカル企業だよ。

独自の貿易ルートを持ってるような奴には、死活的に問題ってほどじゃない」

TPPは環太平洋貿易パートナーシップの略、アメリカと日本を中心に、環太平洋の国々を入れて、ブロック経済をするつもりだった。

が、アメリカで職を奪われるブルーカラー連中から不満が噴出して、トランプもヒラリーもそれを引込めた。

「随分ザルな話だな。いろいろ間違ってるような気もするし。

日本のTPPは、謎が多過ぎるから、何も言えないよ。

アメリカは否定してるのに、日本サイドが一方的に手続きを勧めたりして」

「東南アジアの華僑は、経済力では抜きんでてたけど、大人しくして、中共のスパイなんかやらず、アメリカのケツを舐めてた。それは日本と同じですか」

「日本のODAとかああいうのは、上から落下傘で降りてきて、

現地の人に、ありがとう、ありがとう、とは言われるけど、金が尽きたらおしまいだよ。

ただ善行の記憶が残るだけ。ああ、良い人がいたなって。それも戦中の侵略の罪滅ぼしだし」

「日本人にとっての東南アジアは、バックパッカーの聖地って感じだった。

日本の大手企業と契約してる工場はあるし、ニューカマーが作った小さな日本企業は、チラホラあるけど、

東南アジア各国に林立する、華僑の大財閥には逆立ちしても敵わない」

「対立する必要ないだろ。投資してるジャンルが違うんだろうし。政争になるかならないか、いつも不安だけど。現に東南アジアの華僑と政争には、深い関係があるし」

「当時の中国は侵略や内乱がひどくて、もうどうしうもなくて、逃げてきた人たちだから、根性据えて現地に拠点を築くしかなかった。

今の日本は豊かだから、そこまでしないよ。

それに華僑は既得権益化したから、

どこかの勢力が、何らかの事情で、ものすごく大きな資本や軍事力、政治力でも投入しない限り、華僑が消えることは無い」

「現地民だってふんばってるじゃん。暴動があれば何人か華僑が死ぬし、華僑はよくショバ代を払ってる。

ブミプトラ政策とかいって、現地民を優先的に雇用したり。

だけどそのケツモチって、反共政策を取ってたアメリカだったのかもしれない。日本が1国でそれに成り代わるのは難しいよ」

「だからTPPでオセアニアとか韓国とか入れたり、ってんだろ。右翼からすると。アメリカが抜けたのは痛い。

でも、華僑は何処へ行っても無双だから、あんまり興味ないよ。一か所にしがみつかないと生きていけないやり方は、リスキーだ」

「華僑っていうより、チャオは自分のこと言ってるだけだろ。中国系移民は、洗濯屋のオヤジとかだっているじゃん、現地密着型の」