グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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Trans-Pacific Partnership6


一の宮は、ベトナムへの侵略を気にするキムの釣りに、韓国語の通訳を付けてやっていた。

「コレは韓国語で流通するのはタブーじゃないですか。ベトナムの惨事について、日本ではありふれてますが」

一応、韓国企業のラインは止めたが、韓国当局にマークとかされたくないし、あまり踏み込めなかった。

それでガザツメンがどうのこうの、どうでも良い話に終始していた。

この状態で、向こうに日本語の通訳を付けるわけにはいかないから、一回、こっちに来てもらおうか。

官邸は、過去の相手の失態を、騒ぎ立ててどうしようとか、ロクでもないことは考えていなかった。

が、韓国サイドから幾度となく蒸し返される慰安婦問題で、

あなたちはそれと同じか、それ以上にひどいことをしているのではないですか、という交渉の札は欲しかった。

彼らは、公娼を設置しなかったから、現地民を凌辱した。

恐らく娼館なんか置けるような戦場でなかったのは、ともかく。

 

 


東南アジアは中国ほどには地雷率が高くないと思われていた。人々は穏やかで、猛獣のように、人をカモリにきたりはしない。

マイナー言語だったり、敷居は高いが、相手が高学歴なら英語が通じるし、日本の地方レベルでも興味を持つ人が多かった。

収益率が低く、人が集まらないが、事業や技術を潰したくない町工場の人とか、

海外に店を出してみたい人とか、その逆に、日本の空いた土地で、東南アジア料理店でもやってみようか、と言う人とか。

グエンは、日本政府のバックも取り付けつつ、そういう人と現地の仲介とかをして、手数料は、相場。

俺はこうやって、金集めてどうするんだろう。

ゲリラみたいに動き回るのが好きなのだろうか。

別に公営アパートの同胞たちを、養ってやろうとか、ではない。

彼らは多分、あのまま飲んだくれて死んでいくんだろう。

チャオだったら、ああいう奴は絶対に相手にしない、たとえ身内であっても。

 

 

 


一匹狼の自分とは対照的な、華僑の緩くつるむ生き方。

グエンはチャオをクソ胡散臭い野郎だと思ったが、

飲んだくれの多い公営アパートで育った、グエンに、つるむ親族はいない。

ベトナムの役所なんかで、日本に渡った難民だと言えば、珍しいね、みたいな顔はされる。投資の話を持っていくと、興味を持たれたり。

チャオは重要な知り合いファイルに入れておこう。他人が胡散臭いのは当たり前だ。

内戦の生き残りだった自分だって、これまで心から信頼した人なんかいただろうか。

「中華料理店のオヤジなんて、大した金とか持ってないし、だけど、中国人は、ハーバードとか脚きりするくらいデキるし、入学希望者は多いよ。

黒人を優遇しましょう、なんていうアファーマティブ・アクションの逆で、むしろ現地から差別に会ってる状態です。

ああいう人たちは、中国共産党の息が掛かってるのですか」

「線引きは曖昧なんじゃないですか。華僑はアウトサイダーだから、中共のくだらない政治に巻き込まれたくないけど、本土の巨大な資本や市場は利用したい」