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1、このサイトは書き直し中で、文章崩れています

追々直すので少し待ってください。

幼い使徒4

 

独居老人は、別れを渋った。渋るのは孤児だけではなかった。

「ワシはあんたに1日中いてもらってもいいんだけどね。駄目かね」

「子供は、教育とか受けないといけないですから。あなたは保護者になれないでしょう。自分の世話もギリギリなんだから。

三食、美味しいご飯が作れますか。宿題を手伝ったり、出来ますか」

「それを全ての家庭が、やってるようには見えないんだけどね」

こうして引き合わせてみると、成り立ちそうな疑似家族はいくらでもあった。

が、コレは何だか難しい作業だ。

やってること自体は、人身売買業者と変わらないし、相手が羊の皮を被った狼だったらエライことになる。

こうして子供たちと人々を引き合わせる、ボランティアの仕事まで否定されてしまう。

 

 

 

 


「孤児が孤独とどう戦うか、です。オッサン、孤独でしょう。

人生の先達として、教えられることが沢山あるでしょう」

「俺は孤独を克服できてないから、このザマなんだよ」

「孤独を克服してない人は、自殺するか犯罪に走りますから、あなたは十分克服してますよ。孤独マスターですよ」

「そうか。俺はアンタに会った時点で、孤独と戦うことを止めたよ」

孤独なオッサンは、投げやりな視線で孤児を見た。

「真面目に答えて上げて下さい」

「ごくわずかな、幸せな思い出を何度もサルベージして、

味がなくなるまでクチャクチャ噛むこと。仮想現実に身を浸すこと」

民生委員は、相手の答えが以外と羊なことに驚いた。だが、たしかにこの事業は酒びたりの人なんかは事前に弾いているから、羊率は高い。

「パチンコとかやらないんですか」

「別に、面白くないし。金の掛かる趣味にハマル奴は災難だな。賭博も酒も、体質だし。

アレでアドレナリンかセロトニンか知らんけど、そういうのが出る奴は、出るよ」

「ふんなら、寺とか教会とか、駄目ですか。宗教が信者獲得の為に不幸を生んでいるみたいなのも、聞き飽きたし」

「ひとときの心の安らぎになって、気に入らなくなったら、抜ける自由があれば、いいじゃん。伝統宗教は、抜ける自由があるよ」

「寺とか教会とか神社とか、食い散らかしOKですよ。

たまに不心得者が紛れ込んで、神聖な空間から、心の安寧を盗んで行っても、執拗に勧誘とかしてこないし。

日本は、そういうの政治化してないのも大いに結構です。

日本の宗教は、適当だから、そういうところが素晴らしい」

「だけど神道カルトとか創価学会とか、ヤバイのあるでしょ。あと日本はイエズス会と、ひと悶着あるし、

皇族がクリスチャンかどうかで延々とモメてる人、いますよ。

信心深い大富豪なんかが、人生の折々に心の安寧を貰って、莫大な寄付のお返しをする。こんなクリーン・サイクルだけだったらいい。

だけど宗教にはやっぱり黒い羊が紛れ込んで、いろいろ闇深いんですよ」

「そうかい、俺はどっちでもいいよ」

察するに、この孤独な人は、宗教の関心を持ったことがある、1度くらいは。だが、宗教は求めてくることが聖人過ぎるし、現代資本主義の精神に適応してなかった。

だから俺たちの苦しみが分かっていない、ということになるんだろう。

聖典だけ読んで俺の言うことを聞いていろ、金儲けとか余計な野心を出すな、というのがベースにある教えだ、恐らく。

かといって現代の資本主義と融合した新興宗教は、キナ臭い臭いがハンパなかった。