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1、このサイトは書き直し中で、文章崩れています

追々直すので少し待ってください。

土建4

 

電話と持ってきた地図で、MAKIKOに、指定された現場へ行くと、先客がいた。街で見かけた酔っ払いたちだった。フードから出ている肌の色が白すぎて、顔が真っ赤だ。

「熊公、ここは俺たちの持ち場なんだよ。スパシーボ」

目の青い熊公は何かを言った。M川にはサッパリだった。

人が集まってきた。

T中組の人夫たちも集まってきた。

全員、ツルハシや作業道具を握りしめていた。

まず、除雪車で雪をどかさないと、土は掘れない。

イヌイットみたいな顔をした監督が、地図を持ってきて、色を塗り、そこへ双方の社旗を立てた。

彼らは、その地図を見ながら、カラー石灰のようなもので、で雪の上に線を引いた。

学校のグラウンドなどで良く使う、石炭だと雪の白さに同化してしまうから使えない。この黒いのは何なのか、黒炭か。北の大地には、知らないものがあった。

 

 

ソ連は囚人を使っているという噂だった。だから、ここにいるロシア人は、あんなに見た目が怖いのだ。

シベリア、極東地域の人口は少ない。昔はアイヌやエスキモーくらいしか住んでいなかった。

共産主義時代の彼らは、油田や開拓地を見つけると、ソ連中の少数民族や不穏分子を捕まえて、そこへ送った。

 

 

赤坂の小料理屋の奥の、そのお座敷は、MUNEOを囲み、一見した感じでは、和気あいあいとしていた。

MUNEOは北海道区選出の政治家だった。ついでに北方領土の交渉を仕切っていて、

コワモテだが気さく、選挙演説も上手くて

彼が応援に駆け付ければ得票率が上がり、

自民党議員たちは頭が上がらない。

しかしMAKIKOは、同じ大先生の釡の飯を食った仲じゃないですか、とか言いながら、ズケズケとその御座敷に入って行った。


MAKIKOは、領土問題の解決は、民間の交流と経済の活性化から、という、暗黙の了解を、日本政府がロシア側と取り付けたことを、どこからか小耳にはさみ、

誰よりも先に、人夫を送った。フライングだった。どこから小耳にはさんだのか。

土建行政を地盤にする、議員全員が、MAKIKOに敵意を抱いた。

被災地に、他県から人を送った業者もいるという。最早、彼らは、出稼ぎというフェーズにはついていけない。

外資系の土建屋が、日本の公共事業に流れるビックマネーを虎視眈眈と狙い、

入札談合が叩かれている昨今、地元の業者でなくて何が悪いんですかという、子供の質問への答えは存在しない。

 

 

 

 

北方領土領土だ。今度は4島を結ぶ、橋を作る。入る業者を決めておかないか。ルール違反は止めよう」
「それはアンタの口を出すことじゃないんじゃないかね」
「アンタは票がほしくないのか」
北方領土に橋を作っても、別にあんたの懐は潤わないよ」
「ここのところ、うちは、あんまり仕事がない。人夫たちが出稼ぎに行くといっているが」
「それはどうかな。仕事が無いのはどこも同じだから、人夫は全国から集まってくるし、ロシアの奴だって何割か、請け負うような契約かもしれない。何しろ、外交で決めたことだから」

赤坂の御座敷より一段落ちる、そこはN市の酒場だった。

彼らは、MAKIKOのフライングを根に持っていた。

外務省に苦情の電話などを入れ、彼女の後釜を虎視眈眈と狙っている。

この地域は、元はT中大先生の地盤だったのだし、可能性にあふれた土地だ。というのが、彼らの信仰だ。議員なんて、信仰がないと、やってられない。

ただでさえ、反原発、どうすりゃいのか。

既にMAKIKOは、反原発の市長が牛耳ったN市を嫌い、I県へ経営する会社を移した、プライベートの自宅はそのままだ。

他人の土地へ乗り込んで平然と土建屋をやれる根性は尊敬に値する。T中大先生の血は伊達ではない。

残されたここには、T中先生と縁のある人もいれば、無い人もいる。