グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

ポリシー:ちきう上からポコラーを絶滅しよう。嫌がらせノー、駄目、絶対。

土建7

 

「寒いところにいたあと、サウナに入るっていうのは、肌に良いのか?」

彼はスカヤのすべすべした肌を珍しそうに撫でていた。

シベリア首長。市庁舎や、この首長の自宅には、シベリアのテンや針葉樹を欲しがる商人などが出入りした。

それで、豊かな資源を売って地域を興そうという、中央政府が傾いたソ連末期にありそうな妄想の持ち主だった。

「ここだってそんなに変わらないじゃない」
「40度は違うよ」
「あなたって、意外とヌケてて、自分の領土が頭に入ってないのね。あんまりモノを持ち過ぎるのは考え物ね。

それはとにかく、南クリル諸島は、ベーリング海から、かなり南に行ったところなのよ。そんなに寒くないわよ。ここと変わらないか、むしろ暖かいくらいよ」

「お前は本当に、俺なんか、眼中ないって顔してるよな」

「してないわよ」

「お前は俺なんかに興味はないんだ。何百人もの囚人を統括している俺が好きなんだ」

「面白い仮説ね」

「ところで、俺の周りに、シベリアは独立しようっていう奴らがいるんだ。知ってるか。

アメリカのアラスカ、カナダ、北極海を抜ければ北欧、東には日本。

シベリアは独立しても暮らしていけるってさ」

スカヤは眉をしかめた。

ゴルバチョフは、ヌケているように見えて、ロシア人だ。

彼の後任にも危なそうな男が五万と控えていた。この男は、中央へ行っても、シベリア独立などと吹いているのだろうか。

自分の寝た男が失脚したり、ことによってはシベリア送りになるのは胸が痛む。

 

 

 


被災地から戻ってきたN元たちは、N市の酒場に逆戻りしていた。

カウンターのオッサンが、オッという顔をした。久しぶりだね。

しかし、今日の彼らの酒の量は少ない。

「俺たちは、ツキがないよ」

「ないことはないだろう。被災地の復興に一役買ったし」

「でも大した儲けにならなかった。
ああいうのは、政府のヒモ付きじゃないと駄目なんだ。

復興予算自体は、出てるし、業者もいた」

「でも、どういう秩序になってるか、分かんねえな、Oさん、どうしたのかな」

「Oさんは、与党の幹事長から、選挙1つで、一挙に党の議席が2つに減ったんだ。2つだよ。俺はギャグだと思った。検察ってのは怖い。Oさんは今、俺たちに構ってる暇なんかない」

「その話は、デカい声ではタブーだべ。小さな声でしろよ」

「無駄な公共事業は削減しろ。工業は終わりだ。ふんなら、何なのかね。農協なんかが、今、熱いのかね」

「ふんなら、既存の農地にユンボで突っ込んで強奪するさ」

「土地の強奪は、NGなんだよ。俺たち、自分の土地が無いから、こういう工事とかしてるんだ」

耕作放棄地って知ってるか」

「でも作物がならない。ならないから、放棄されてんだよ」

「砂漠で米とか作ってるやつ、いるよ。外人で」

ユンボで耕してか?」

「そんなら、原発つぶすの手伝うか。あれは、成り手が無いって噂だ。時給も高い」

「それはもう、もう、素人には技術的に無理なんだよ。廃炉には、10億とか掛かるって話だ」

「ビルの解体工事どころの話じゃないんだな。ビルなら、30万くらいで済むか」

「何に10億使うんだよ。劣化ウランの廃棄場所を探すのにか」

「作業員が放射能で死んで補償金だすとか」

「そうなのか」

「シラネーヨ。俺は、想像でしゃべってるよ」

今日の酒は少ない上に、安かった。金がないから。見通しの暗いときは、節約しなければいけない。