グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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土建9


N元たちは、過疎地で農作業をしていた。

誰かが、貰った報酬を、自給換算すると300円。全くシケた話だった。

議席2になったOは、全く頼りにならなかった。

これでは生活が成り立たないし、

数か月前、N元たちは、失業手当窓口などに座り、屈辱的な思いをした。

土方がユニクロで10人ほど訪れると、周りはビビった。

職員の指差した求人には、土に触れる、やりがいのあるお仕事、とだけ書かれていた。

日当は応相談、成果に準じます。

ここは給与は安いが、監督官などはいない。

N元たちは、畑の脇に集まると、タバコを回した。


「ドバイ?」

「そう、アラブ首長国連邦の、経済特区というのか、超高層のオフィスビルとかが大量に建っているところだよ」

「ビザとか、どうやってとるの」

「ああいうところは人気だよ。パキスタン人とか、東南アジアのやつとか、もう埋まってるよ。

世界は失業者で溢れてるんだ」

「そう、どいつもこいつも美味しい話には目がない。

日本みたいに、上がゴチャゴチャやって、社長が仕事を取ってきてくれるようなシステムじゃない」

「それはどうかな。ああいうところには、ああいうところなりの、談合とかあるんだよ。多分」

「俺たちの入り込める可能性はゼロか」

「その、ドバイ行った奴はどうやってビザとったの」

「さあ、友達の、友達の言ったことだから」

「何にせよ、そいつはラッキーだな」

N元たちは、タバコを吸い終わると、三々五々に持ち場へ散った。抜けるような青い空、広がる緑と茶色の田園風景。

 

 

 

 

 

赤坂の料亭の御座敷には、平和が戻っていた。仕事が無いのでやることが無い。

公共事業の仕事が取れず、落選した議員も多い。

しかし彼らはそれが習い性なので、やっていることは大して変わらなかった。

 

「MAKIKOは刺しとけって、いわれたべや」

「でも、大先生に恩のある人は、たくさんいたじゃないですか。
だから、女嫌いの染みついた連中が、あんな婆さんでも、文句言わなかった」

「仕方ない。大先生のところは、MAKIKO以外にめぼしい継手がいないし、

外から連れてきて、据えるにも、小物ばかりだしね。

応援演説なんかに立たせると、婆さんが、一番集票力があるし、

それで、面倒になったら、飛ばすのもラクさ」

「女は婦人会でもやってりゃあ、いいや。俺らの花園を荒らす奴は、刺しとかないといけない」

「女も何も、人んところの、陣地なんか出てくから、悪いさ。俺は、あいつがオッサンでも刺すさ」

彼らは落ちぶれて、気がささくれ立っていた。

酒を飲んでタガが外れた元議員の1人が、大声で宣言した。

「ワシはね、これをキッカケにして、

南は朝鮮半島の方まで、鉄道を敷くことにロマンを感じているんだ。

今、土建は未曽有の不景気にあるじゃないか。

俺たちは生きていかなくてはいけない。
ハッハッハッハッハッハッハ」

もちろん、彼らは、既にそういう政治力は喪失していた。

むしろ政治力がなくなったから、妄想が激しくなったともいえた。

その物悲しさが、彼らをいつまでもここへ引き寄せる。最低限のマナーと金さえあれば、いつでも入れる場所だった。