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1、このサイトは書き直し中で、文章崩れています

追々直すので少し待ってください。

Chinese Palestine2


「住人に点数を付けて、より分ける?」

「そうだよ。俺たちは、気が付かないうちに、下層市民になっていた」

浜田たちは、安い飯店で昼食を取っていた。コンビニのフランチャイズを統括する北京本社の駐在員。

世界中の、ほとんどの人種は、日本人よりはものぐさだ。働き者の中国人ですら。

コンビニを管理し、24時間、手間仕事をするみたいな、面倒臭い作業は日本人向け。

あまりライバルがいないし、パクる人もいない。

 

 


「なら、上層市民はどういう人なの。共産党に入ってる人?」

清華大学の成績上位者とか、グーグルで働いていたことがあるとか、ハーバード帰りとかだよ」

マッツンの説明したのはこうだった。

例えば世界の大学ランキングで100位に入っている日本の大学は東大くらいだった。

日本の大手企業で、中国への赴任は出世コースではないし、東大卒の人なんて、ほとんどいない。

滞在資格を満たさない住人は、大幅に税率を上げられた。

中途半端な外国人は、生活に金がかかり、居辛くなった。

足元を見た商売だった。中国には飛び切りの優秀な人に来てもらいたい。税率、下げます。


「そりゃあ仕方がないよ。

俺たちはずっと、バブル期の成功に浮かれて、ジャップランドで遊んでた。

霞が関とか、大企業就職みたいな、つまらない指標にしがみついてた。

昔の遺産を食いつぶして、タラタラしてた。ひたすら過労死するまで働くのが、偉いと思ってた。

気が付いたら、一周遅れだったんだよ」

浜田は寒い北京の冬に、トレンチコートを着て歩き、通行人をジロジロ見つめた。マトリクス・イズ・エブリウェア。

どいつもこいつも、ハーバード卒、MIT出身、そんな奴らが街を埋め尽くす。

ワシントンも、カルフォルニアも、ドバイも、そんなに変わらないはずだけど。中国の大都市は、その中でも1つ頭抜けようと思っているようだ。

 

 

 

 

 

ゴーストタウン周辺の砂漠は、テントや、最近はオレンジの木が増えていた。

ハイファたちのママは、皿を投げるのを止めた代わりに、オレンジの木を植えた。それも偏執狂的に。妹のユスラはそれを手伝った。

姉のハイファは元々、戦争ゴッコが好きだった女の子だけあって、今は学業とサッカーに夢中だ。

「お前らは何で、いつもオレンジ植えるんだよ」

ママはよく、ウイグル人に絡まれた。ここは元々、ウイグル人の土地だ。

「これは私たちの故郷の象徴だから」

「植えすぎじゃん。そんなに、作って、食えるの?」

「あなたたちは食べないですか。青空市場で売ります」

パレスチナ人とウイグル人の間で、かわされるのは、たどたどしい中国語。

パレスチナ人の子供たちは学校で中国語を習うので、地元の人たちと意思疎通ができるが、親世代は難しい。

「オレンジの木なんて大したことないじゃないですか。あなたたちの羊ビルは何なんですか。アレは、変ですよ」

「だってあのビル空いてるから」

「ビル管理会社の許可は取ったんですか?」

「管理者、行方不明みたいですよ。鍵も壊れてたし、だからドアとか外しちゃった」

「羊なんて、外で飼えばいいじゃないですか」

「地球は人口過多なんだよ。放牧ができる土地は減ってる。現に俺たちは、ゴーストタウンの建設で、放牧地を奪われました。

抗議しても無駄だった。だからこれは、正当な土地を取り戻しているに過ぎないよ。

それに高層ビルで上に空間を伸ばして、狭い土地で畜産をするテストは、将来性があるかもしれない」


ユスラは土を掘りながら、聞き耳を立てた。姉のハイファに報告しないといけない。

妹のユスラはハイファのスパイだからだ。ハイファは好奇心が強かった。

ハイファが将校で、ユスラが諜報員だ。そういうゲームは、未だにこの姉妹の間で続いていた。

追放されたパレスチナ人の子孫たち。