どうでもいい

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Chinese Palestine6

 

ハイファとザーヒルは、その日、並んで食事を取った。同窓会。

精華大学は、金さえ払えば年齢の行った人も受け入れたし、飛び級があるから、年齢層がまばらでも怪しくない。

2人には、当局のつけたガイドがついてきたり、

学業やビジネスの話をする人が寄ってくることがあるが、今日は人がいない。

「俺たちが参加してるのは、普通の大学だし。闇組織とかでは無いよ。インターンしてるのは、 中国開発銀行だし」

中国開発銀行て。彼らの会話に出るのは、ビックネームばかりだ。つまりこの辺りは、そういう一帯だった。キツネにつままれたような気分。

生れた時から、アナタはエリートだって言われて育ったんでもないし。

当初は闇組織に連れて行かれるのだと思っていた、ハイファも。だいたい連れて行かれるといったら、そういうところだった。

「希望に満ちた新興国家、中国が、パレスチナ難民の活路を開くって環球メディアに書かれて、っていうのを狙っているのよ」

ザーヒルは、ソレはめでたいね、という顔でモサモサとチャーハンを食べていた。

「ハイファは、あそこに留まってるつもりだったか?あの僻地の元ゴーストタウン、オルドスに。都心の大学へ行って、海外へ行くか、どこか大手で働くつもりだっただろ」

「ザーヒルは違うの」

ザーヒルはチャーハンから手を放して、水を飲んだ。

「俺はパチモン修理屋っていうか、ただの木工屋じゃん。

大嘘で粉飾すれば、初期のシリコンバレーを先導した、ガレージキットとか、適当なこと言えるかもしれないけど」

あんなところがシリコンバレーのなわけがないだろ、とザーヒルは思った。集積規模が違うし。

ガレージっていうか、テントとかだった、作業をするのは。

「どの地域だって、当局の嘘ってのは、堂に入ってるよ。多分。ただ、俺はもうオッサンだし。こうなるとは思わなかった」

こうなるって、北京の名門大学へ通うこと。14歳のハイファに、ソレが大したこととは思えない。

だけど多分、40近いザーヒルは内戦経験者だ。

ハイファにとって、何を考えているか分からないタイプに入る。その辺の中国人の同僚と比べても。

ハイファは、変なことを言ってみようと思った。例えば、

「共産圏ってみんなこうよ。パワー志向で、人集めは恣意的。

昔のソ連なんか、オリンピックで金メダルを独占してたけど、

国家の勧めるドーピングのし過ぎで、体を壊した人の巣窟らしいよ。それでずっとウォッカを飲んで誤魔化してるのよ」

「何で?俺たちの食事に何か入ってるとか?」

「私はザーヒルほど味音痴じゃないけど、それは無いと思う。薬の味とかしない」

毒薬の味なんか、知らないけど。

ハイファは14歳の、普通の子供ならまだ中学生で、ザーヒルは38歳のオッサン、ノリが合うわけがないし、

だから、話がズレてもあまり気にしなかった。皿の投げ合いとかにならないだけマシだ。

流れ者の彼らは、他人と話がズレることには慣れている。