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1、このサイトは書き直し中で、文章崩れています

追々直すので少し待ってください。

Chinese Palestine10


「テロの後、株で儲けた奴を全員拘禁する?気でも狂ったか?」

前回、せっかく良いところへ落ちた会議に、また動揺が走った。

当局は、北京のテロの衝撃の収拾に失敗していた。パレスチナ人の痛みという衝撃的なキーワード、

ゴーストタウンへのパレスチナ難民の受け入れという目新しい政策。ユダヤ人と中国人の密約。

民主制を実施しない、世界GDP2位の国。

世界の耳目を集めるなと言うのは難しい。

北京のテロでは、一帯の警備を請け負っていた会社の株が下がり、他の警備会社の株は上がった。

テロの現場になったチェーン店の株は下がり、と、いろいろ動きがあった。

共産党内に、このテロは経済犯だという噂があった。

事前に複数の人間がテロの影響による株価の変動の予測をし、大金をもうけて逃げたのだと。

誤魔化す為に、パレスチナ人の痛みを知れ、という落書きを残した。もしくは、落書きがあったという捏造をした。しかし、誰が。

中国人は、上から下まで、株が好きだ。

中国は、真面目に働いて報われる経済構造が十分でない。ギャンブルの要素が他より強い。

要人への袖の下、一攫千金のチャンスを捕まえる、金を持って高跳びする、そういう手法が多い。

もちろん、企業や工場などで、長く働いてお金を貯めるような方法はあるが、大金にはならない。中流市民程度の、慎ましい生活費が手に入るに過ぎない。

また、外資にせよ、国営にせよ、エリート企業に勤めれば、それなりの年収が手に入るが、平均的市民の選択肢ではない。

 

 

リウと浜田たちは、ウルドスの役所に集まる情報の中で、公開して良いものと、良くないもの、により分けた。

アメリカで言う性犯罪者の住人の前科のように、ケースバイケースで開示するべきもの。

もしくは、そもそも当局に握らせてはならないプライベート情報。これは、911以降、当局のメールの盗み見や、監視網の普及などで、危惧され続けているジャンルだ。

高島は、中国のシステムに興味を持った。

霞が関にも、データは沢山あったし、人々の金を集める仕組みが多くあった。それを利用して官製市場を作り、通貨防衛や株価の維持に使っていた。その手の手法は、中国ほどではないんだろうけど。

データは大して活用していなかった。霞が関は、待遇の良さでバッシングを受け続け、これ以上非難を受けるのはゴメンだったし。

「この資産というのはマズイんじゃないですか。盗賊とセールスマンが押し寄せます」

「なら何なの。資産なんて、その人の地位からだって、推測できるよ。フォーブス100とか。

昔の日本に紳士名鑑っていうのがあって、オッサン連中にとって、そこへ載ることがステータスみたいな空気があったんだけど、嫉妬深い貧乏人が増えたのか、本人たちがくだらないと思ったのか、90年代頃に廃止されたよ」

「コストを掛けずに、人の資産が、一発で分かるのがマズイじゃないですか。

収入があっても、何かに散財してるかもしれないし、一族の資産とか、探偵とか使って調べるしかない。

セールスマン連中を小蠅にしない為には、そういうハードルが必要です」

「既にジャンクメールとかで小蠅になってないか。名簿屋ってのもあったね。あの名簿には、何が書いてあったのかね。

自動肩もみ機を買ったリストに入ってる人は、羽根布団も購入してくれる確率が高いとか」

「だけど、学業成績から、成功度を推測して、セールスマンが押し寄せるってことはないですか。中国人は図々しいですよ」

リウたちは、素行、犯罪歴などの項目に移った。

「オルドスは、大都市に比べたら、互いに顔見知りの人が多いんじゃないですか?大分発展したから、そうとも言い切れないけど」

「この手の情報が流通する範囲は、150人だという噂がある。

そのレベルの小集団は、プロパガンダをしなくても、共通目的に従って動かすのが難しくない」

「ここの人口は今、300万人くらいか」

オルドスの役人はやる気がないから、気鋭のビジネスマンを名乗る胡散臭い人々に、役所の資料を適当に使わせていた。

俺たち寝てるだけで、給料貰えるのって、美味しい。

彼らが手柄を上げたら、俺らがやったことにしよう。失敗したら、彼らのせいにしよう。

国のケツモチも外資も、どちらも大事な資源だ。

国のケツモチルートは、20年以上前に、ゴーストタウンバブルの崩壊で虚しく崩壊した。それ以来、放置。

それから、外人がチラホラ入ってきた。

上手くすれば、中央への出世ルートが開ける。

オルドス?あの大発展したところ?アレ、君がやったんだ、スゴイね。