グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

ポリシー:ちきう上からポコラーを絶滅しよう。嫌がらせノー、駄目、絶対。

Chinese Palestine13


中央役人1は、上役に呼び出されて、てっきり、パレスチナ人の愛人を飼っていることを咎められるのだと思った。

オルドスの出張から連れ帰った13歳の娘。長い黒髪にも映える、浅黒い肌、クッキリした目鼻立ち。

単純に風紀を乱すと叱られるか、俺に寄越せと言われるか。

中央役人1は、目の前の、この上役を知らない。

「最近、猿が増えすぎたんじゃないかね」

うわ、直球。ハイ猿です。俺は猿です。しかし、ここはシラを切り通すしかない。

彼は目の前の上役が、どういうタイプなのか知らないのだから。堕落しているか、潔癖か。金と女のどちらが好きか。

「何故です」

「データが盗まれていると思しき事態が増えてきた。

安定するはずの株が乱高下したり、党の開発計画が出し抜かれたり」

中央役人1には、予想外の要件だった。ここはひとまず、深呼吸。

「誰が猿で、誰が人間か、どうやって見分けますか」

「知っての通り、監視課は作ったよ。

権威を否定する傾向を持つ人を炙り出す、心理テストなんかも実施している。あんたも受けただろう。

そうやって、反抗的な気配の見えた人間を、チェックしている。

が、金に興味の無い人間はいない。気の遠くなりそうな作業だよ」

中央役人1は、中央の序列としてはかなり下っ端だった。上役の、唐突な打ち明け話に戸惑った。

ここ中南海で、道を誤れば、地獄へ落ちる。

「私を信頼しているから、その話をしたのですか。それとも、私を疑っているから、カマを掛けているのですか」

 

 


「その中央役人1が、粘着なの。北京は行ってみたかったけど、街を歩けないし、オルドスが懐かしい」

ユスラは中央役人1が目を離したスキに、スマホの貸し屋に飛び込んで、姉のハイファへ電話した。

ハイファは北京に行くときに、ユスラに新しいスマホの番号をくれた。

「同じ北京じゃん。今度会おうよ。対策を練ろう。コッソリ逃げるとか。ロリコンには天誅を下さないと」

「無理、無理。奴は私の外出を許さない。私は奴の夜の相手をして、昼間は家にずっといるだけ。

スマホも浮気されたくないから、くれない。閉所恐怖症になりそう」

「脱走すれば。私は清華大学っていうところにいるんだけど、

ユスラのいる場所が分かれば迎えに行ってあげるよ」

 

 

「なあ、ユスラ。お前の姉のハイファってのがいるだろう」

ユスラは心臓が飛び上るほど驚いた。

あの通話は当局に聞かれていた。そして、中央役人1に通報された。愛人を飼うのは、公認なのか。ひどいルールだ。

が、中央役人1の切りだした用件は、異次元へ飛んでいた。

「あんたの姉さんは、頭の良い子なんだが、胡散臭いことを企んでる。

当局のデータを悪用したり。

だからお前が、監視して欲しい。しばらく彼女を泳がせる。殺したりはしないから、つきあってくれ」

だけど、これで心置きなく外出できる。ハイファとも会える。ユスラは、頷いた。