グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

ポリシー:ちきう上からポコラーを絶滅しよう。嫌がらせノー、駄目、絶対。

Chinese Palestine17

 

 

ザーヒルは、パレスチナで戦車から逃げ回っていた頃から、英語を身に着けていた。

世界中の最も多くの人に通じるメッセージ。助けを求め、相手に手を差し伸べられる可能性の高い、片言の英語。

間違って、撃ち殺されない為の護身術。霞が関の役人は、流暢な英語で言った。

「これは確かに面白い。俺のスマホより使い易い。が、これを日本で売るのは、夢物語だよ。

スマホは、大手の独占で、許認可を取るのが難しい」

「だけど、使い勝手が良いことは確かです。

良い商品が出回れば、日本の技術屋たちの、刺激になります」

マッツンが口添えした。このコンビニ屋風情が、という目線が、霞が関の役人から返ってきた。

しかし、霞が関1は考え込んだ。日本のスマホ市場の生態系は崩したくないが、アップルやサムソンに大分食い込まれているのは事実だ。

ザーヒルは追い打ちを掛けた。

「俺は商売に興味がないんです。コレの特許を取って、日本の市場を食い荒らそうとか、つまらないことは思いません。

俺は命の危険を感じず、好きな研究に打ち込みたい。

オルドスへ移ったばかりの頃、俺は夢の中で激しい銃声を聞いて、撃たれ、汗まみれで飛び起きていました。

日本がもし、自由な研究を許すなら、こういう平和なところでのんびり暮らしたいんです。

イスラエル警察でも、中国共産党でも、何でも良いが、俺はもう、中央役人にストーカーされるのはマッピラです」


ハイファが口添えをした。ザーヒルより流暢な英語だった。

「日本人は、アメリカやユダヤ人に被害妄想を持っています。私たちパレスチナ人も同じですから、気持ちは分かります。

東京はともかく、ことに地方政府の貿易相手は、中国がメインです。

このシステムが中国経由だと言う方が、スームズに行くし、

莫大な中国の資金を利用した、地方債券市場の可能性もあります。アジアには、共同の債券取引所もあります」

「投機資金に翻弄されない、ってか。だが、中国人も最近はユダヤ並みの大賭博をするよ。

この世知辛い世界で、中国人だけは優しいというのは、左翼のお花畑が考えたカルトだよ。

中国サイドが、日本の地方政府と懇ろなら、インサイダー取引も普通だ。日本が中国腐敗並みに腐敗していく。

だいたい、中国がアメリカより良い相手だと、思っている人がいるのかい。少なくとも日本にはいない。

中国人だって、腐敗した政府を嫌って、こぞって欧米へ留学したがります。あなたも当局に弾圧されたクチでしょう」

「投機を受けるのは、スキのあるジャンク債だけです。先ほど申し上げた、

住人のデータからはじき出す精密な予測こそが、投機を受けにくい最も有効な武器です。中国人自身、不公正な中国の制度が嫌いだから、国外へ逃げるんです。

その受け皿に、日本はなれます」

「そんなの、理想論だよ。経営の波は、上向きのこともあれば、下向きのこともある。アジアには香港なんかの英連邦の遺産もあるよ、俺たちには逆立ちしても無理だろう」

「それなら、アジアの債券取引所の話はひっこめましょう。

日本に、空売りとか投機的な取引を禁止した、新しい証券取引所を作れば良いんです。

地方債以外にも、そういう株式市場を望む経営者は多いです。ことによると、海外の客も取り込めます。アメリカも中国も投機が止められないが、日本は違います」

「何が何だか、分からんよ。博士の卵の考えることは分からんよ。だが、アナタも組織で働いてみたらいい。現実を知った方が良い」

 

 


いつまでたっても、ハイファとユスラの住処は、もぬけの殻。中央役人1は、舌打ちをした。とんだ犬がいたものだ。雌犬、すなわち、ビッチだ。

当然、上役の渋い顔が目の前にあった。

「お前は、2匹の猿に逃げられたのか。2匹じゃないな、結局、5匹ほど逃げた。その3匹については、お前の差し金じゃないが」

中央役人1は、もうドヤ顔で通すことに決めた。どうにでもなればいい。元々、自分は、真面目な人間ではなかった。

「厄介払いができてよかったじゃないですか。北京には次々と有能人材が流入します。

彼らに執着する必要はどこにもありません。反動分子は不要です。党の安定性こそが、最重要課題です」

「お前も詭弁が上手くなったもんだ。ただのロリコンだと思っていだが、泳ぎは上手いと見える。

13歳のエギソチックな愛人に逃げられて悲しいか」

中央役人1は、恥ずかしそうに、頭をかいた。俺は、ひとまず上役の陰謀に噛んだ。

日本へ行ったパレスチナ人を追って暗殺などしたら、また中国当局は環球メディアに騒がれるだろう。

北京は犬たちを、捨てた。海外へ消えた奴らに、大したことはできない。当局に睨まれた犯罪者が高跳びする、よくあるケースだ。

それから、会議でよく絡んでくる中央役人2の顔を思い浮かべ、ニヤニヤした。バーカ、俺はお前を一歩出し抜いた。出世への道が、開け始めていた。