グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

ポリシー:ちきう上からポコラーを絶滅しよう。嫌がらせノー、駄目、絶対。

IMF case4


IMFか。俺もあいつらは大嫌いだ。俺らは当時、あいつらのせいで仕事がなくなって、辛酸を舐めた。

鍵を外しておくよ。これは部屋番号。他の従業員にも言っておく」

「このホテルの評判がガタ落ちになって、潰れないか」

「どうせここは外資だよ。ここが潰れたら、違うところが来ればいい」

「ボリ公の従業員はクソだとか言って、ホテルマンの就職に不利にならないか」

「お前が嫌なら、やめとけよ。覚悟の決まらない仕事は上手くいかない」

「だけどIMFが南米で嫌われてるのは事実だよ。南米で嫌な目にあったら、それは彼らの人望のなさが原因だ。ホテルのセキュリティが甘いせいじゃない。奴は恨みを買っていた、それだけだ」

「鍵を壊すのはあからさまだ。セキュリシテステムがイカれたことにしないか」

ハッカーか?そんな奴いるか」

「南米は失業率が高いから、腐ってる奴はいるよ。カルフォルニア帰りの愉快犯もいる。

奴らは革新的な思想に取りつかれてるから、IMFを懲らしめてやるなんて、笑える企画が好きだよ」

 

 

 

「南米のホテルっていうのは、ずいぶん素敵なところだ。こんな歓待は久しぶりだ」

「久しぶりってことは、前にもあったのか。さもありなんだ」

サングラスを外したボディガードはそんなに怖そうな顔はしていなかった。もちろん、ガタイは良い。

が、不意を衝いて殴りつけ、銃で脅して縛ってしまったから、こっちのものだ。

部屋の中にボディガードは2人しかいなかった。室内は安全だし、あんまり人がいても落ち着かないだろう。理事は黙って縛られている。

「残念ながら、ここは外資だよ。それに、ここのセキュリティ・システムをハッキングした奴は、ボリ公じゃない。

ロシアか、インドネシアか、さあ、何処かな。何処だと思う」

「俺たちは負け犬の怨念なんかに興味はない。過去に破たんした国は数知れない。そのとき救いの手を差し伸べられる機関はIMFしかなかった。IMFが無かったら、お前らは路上で死んでいた。恩知らずの能無しだな」

「そのうち連絡が取れないことを不審に思った奴が通報すると、マシンガンを持った集団が扉を蹴って、お前らを銃殺するだけさ」

2人のボディーガードがパンツ一丁で縛られながら、精一杯の虚勢を張った。南米のマフィアだって素人じゃないから、10人くらいで突撃すれば、プロのボディーガードと互角に戦えた。

そうでなければ、誘拐屋稼業は成り立たない。

「時間は取らないよ。3時間ほど、インターネットテレビの実況中継に出てくれればいいだけだよ。その面白い姿で」

 

 

 

 

「FIFAの会長が誘拐された模様です。通報を受けた、報道陣と機動隊が現場周辺を取り囲みましたが、

幸い彼は、すぐに開放されました。

会長は開放されたときピエロのペインティングと服を着せられていました」

サッカー中継の途中で、ニュース速報が入った。

ボディガードたちに周囲を囲まれて装甲車に乗り込む、ピエロ姿のFIFAの会長が画面に映っていた。

ロレンシオは驚いて、後ろで縛られているオッサンを見た。FIFAの会長ってコイツじゃないのか。

この番組は、南米特有のナンセンスなコントか。南米では、体を張る感じの、単純なコントが主流だった。話術と語彙力を駆使した、トーク番組などは少ない。

「お前はFIFAの会長じゃないのか」

「どうでもいいが、縄がキツイ。ほどけとは言わないから、少し緩めに縛りなおしてくれ」

「どうでもよくないだろう。お前とコイツ、どっちが偽物だ」

「直してくれたら、教えてやろう」

ロレンシオは、また気味の悪い感じがした。コイツは俺のことが好きなんじゃないのか。と直感的に思った。

何故なら、ロレンシオにはそういう前科が無いことは無い。前科というか、こういう一件立派そうなオッサンに、言い寄られたり、体を触られたりする経験が。

一介のマフィアであるロレンシオと、こういう立派そうなオッサンとの接点は、ボディーガードを請け負ったり、他の奴の依頼で脅しに言ったり、こうやって誘拐したり、そのくらいしかない。

いずれにしても、尊重される立場じゃない。尊重される立場じゃないから、彼らは牙をむいてくるのかもしれない。普段人に見せられない本性を見せてくるのかもしれない。

立派なオッサンが、変な趣味を持っていることは珍しくない。ロレンシオはどうも、その手のに好かれるタチだ。

だけど、誤解ってこともある。俺の直観は鋭い方じゃない。

ロレンシオは、オッサンの縄を緩く縛りなおしてやった。