グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

ポリシー:ちきう上からポコラーを絶滅しよう。嫌がらせノー、駄目、絶対。

IMF case6


フアンは兄からの電話で、気が大きくなっていた。IMFの理事長を攫うか。ロレンシオの言うとおりだった。

いつまでもこんなところで水屋にボラれていないで、そのくらいのことはやらかさないといけない。

「水ー水ー綺麗な水ー。青くない水ー」

フアンは、タンクの代わりに古ぼけた銃を持って、水売りの元へ赴いた。

弾が出るかどうかも不明だ。

タンクローリーの運転席に1人、助手席に1人、配給しているのが3人。

スラム住人は、さほど凶暴な人種と見なされていないらしかった。大した武装はしていない。

フアンは、スラムのアパートの隣の住人を3人ほど誘うことにした。

「水屋を襲う?襲ってどうする?」

「水を持って逃げるだけだよ。水は売ってもいいし、自分たちで飲んでも良い。

あとはそのタンクローリーに乗って、マトモな水の出る地域へ引っ越すだけさ」

「それができたら、俺たちはこんな場末に住んでないよ」

「俺たちは、働けないわけじゃないだろ。あんまり真剣に職探しをしてないだけだ。場所によっては、景気の良いところもある」

 

 

IMF会長の裸踊り」

水売りのタンクローリーを収奪したフアンたちは、車を運転しながら、くだらないネット・テレビを見て、笑ってた。

張り倒して道端に捨ててきた水売り屋の残したスマホが、助手席に3つほど置いてあった。

4人は、スマホなんか使ったことは無いが、今のスマホは、素人が見よう見まねで操作することができた。

「コレをやったのは、俺の弟だよ」
「ハハハハ、嘘コケよ」
「でもこいつはバカにならないぜ。俺たちに立ち上がる気力をくれた。なかなかの男だ」
「法螺の力ってのはバカにできないな。
俺は緑の水を飲む生活を、どうにかできるとは思ってなかった」

「そういうのを奴隷の思考っていうんだよ。奴隷は自分の境遇を何1つ変えられないと思ってる。

来世は良い人生を送ろうとか思って、黙って鞭で打たれて、夜になったら寝るだけだよ」

 

 

 


「うちの理事を攫ったと。ソイツは結構なことだ。

ただ、同じ電話が違うところからも掛かってきてるんだがな。何かね、コレは。南米流の料金二重取りってところかい」

「違うところ?誰だよ、そいつは」

「俺に聞かれて困る。だから警察が今調べてるところだよ。お前も警察に問い合わせてみたらどうだよ。俺のニセモノをやってる奴は誰だって」

「そいつは金をよこせとか、何か言ってるのか」

「ネットテレビで理事の裸踊りを披露させたそうだ。俺たちの見るところ、確かに、会長だ。顔はな。裸は見たことが無いから知らない」

ロレンシオはネットで検索して、その動画を見た。2つくらいバージョンがあって、1つにはヨーデルふうのBGMで、もう1つはサンバふうの変なBGMが付いていた。

どっちもオッサンが躍っているだけ。それもBGMと合っていない、変な動きだ。クダラネーナ。

それからオッサンのところへ行き、それを見せた。

「コイツがIMFの理事を名乗ってる。お前とコイツ。

どっちもそれらしいといえばそれらしいし、全然違うように見えるといえば、全然違うように見える」

「それは、そうだよ。男なんてものは、白人だろうと、カラードだろうと、立派な身なりをして、取り巻き連中に囲まれているから、立派な人間に見えるだけだ。

こうやって裸で踊らされたら、その辺に半裸で寝てるスラム住人や、マサイ族と何も変わるところは無い。マサイ族より体がたるんでいる分、情けないだけだ」

 

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