どうでもいい

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原発難民だよ、全員集合4

 

三沢は、ラインのアドレスなどを、息子の学校の父兄の、誰とも交換してなかったから、よけいな連絡がこなくてせいせいしていた。

昔の友達と、たまに交信するくらい。


あの夜、三沢は、静まり返った1人の家で、布団にくるまって震えていた。

これからも、息子を失ったまま、この見知らぬ土地で生きていかなくてはいけない。

普段、そんな自分のスマホなんか鳴らない。そう頻繁には。

マスコミの取材は着信拒否だ。

ミサミサ、俺俺俺だよ。おばあちゃん、会社で横領にあっちゃって」

小学校の頃、まだF島第一原子力発電所が、爆発してなくて。

ミステリアスなでカッコイイ施設だった頃。

その周りを探索したり。ミサミサとか下らない呼び方をしてくるのは、笠井しかいない。

「最近、マッキー見ないんだど、知らない?」

牧原か、東大にいった幼友達。マッキーは三沢に気があった、一時期、昔の話だけど。

私は東大なんか行かなかったし。もう違うレールに乗ってる人だ。記憶の中にしか存在しなかった。

「笠井の方が知ってるんじゃないの。

こっちは、ニュースで見た通り、踏んだり蹴ったり」

電話口に沈黙が流れた。

あのニュース、やっぱり気まずいよね。被災地からの移住者の子供がいじめられて自殺した。

F島でも流れたのか。

幼馴染でもツッコミどころがないだろう。

地元で原発事故にあった上に息子が死んで、ただでさえ凹んでいるのに、公開処刑でしかない。

だけど、ああいうのはなりゆきで、誰も責任を取らないから、文句を言っても仕方がなかった。

「今度一緒にお墓まいり行こう」

最悪なニュースっていえば、彼だって変なニュースにでていた。

作業現場が怠慢とかなんとか。

要するにロクことがなかったのだ、私たちは。この事故で。

だけど、ソレはどの被災者だって同じだろう。


あの震災で、比較的、多くの人が無くなった。

F島の人は、津波では亡くなっていないけど、仮設住宅の不十分な生活環境で、体を壊して亡くなった人とか。

三沢は新生活に忙しく、同級生の誰がどうなったとか、全員、調べたわけではない。笠井も恐らく。