グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

ポリシー:ちきう上からポコラーを絶滅しよう。嫌がらせノー、駄目、絶対。

原発難民だよ、全員集合11

 

原子力海賊船」はCNNやABCでは流れていたが、日本のニュースでは流れなかった。

ニュースは、翻訳されて、インターネットで拡散した。


マリナたちは、怖いとか意味わかんないとか、船上で発電してもどこに送っていいか分からないから、それってただの原子力潜水艦じゃないとか、適当なことを言い合った。

「海賊船と言えば、合コンのメンバー集めてるんだけど、来る?」

「何で海賊船なの?パイレーツ・オブ・カリビアンの、ジョニーディップが来るの?」

「清掃員のバイト見つけたっていったじゃん。

アレで派遣先の社員のオッサンの落としたコンタクトレンズを掃除機に掛けちゃって、お詫びにごはん奢った。庄田さんって人」

「だから何で?

ミナコの話は脈絡がないよ。

そのオッサンと仲良くなったの?」

「庄田サンは、仕事が上手くいかないから、ウサばらしがしたいだけだって。

安いタダ飯だから、適当に人呼んでいいよ、とか言われたよ」

「庄田さんは海賊船のメンバーなの?ジョニーディップみたいなイケメンなの?」

「海賊船に乗った人来るって。庄田さんじゃないけど」

「何かウケル。私は行く」

「まだ分かんないんだけど。ミナコは、海賊船の清掃したの?」

ミナコはマリナの質問を無視した。

「写メとかは禁止だけど」

 


「野崎、その隣の人、何なの。お前は海賊船を降りても、奴隷を引き連れて歩く身分なの」

村さ来(居酒屋の店名)に、1人だけ黒いベールをかぶった人がいた。みんな酔っ払ってるから、他の客は誰も気が付いてないけど。

注文を取りに来た店員も、ああ、コスプレねっていう目で見ていく。アラブ系の客は、このテーブルに、もう1人いた。彼はサワーやビールを、もう4本くらい頼んでいた。

「彼女に責任取れって言われたし」

「婚前交渉は、駄目なんじゃないの」

「俺が知るかよ。お前らだって、ああいう状況になったら拒否できないよ」

「あっそう、そういう猥談やめろ。女性陣がマジヤベーって顔してみてるから」

「言葉とかどうするの、名前とか知ってるの」

「アースラ」

「俺がノザキの隣に住んで教えればいい。語学学習センターもあるし、すぐに覚えるよ。でも仕事でビザ取るのは不安だから、誰か、奥さんになる人、紹介して」

酒臭い通訳は図々しかった。が、野崎とアースラは、彼がいないとコミュニケーションが取れなかった。

「それヤバイやつじゃないですか。偽装結婚と違うの?」

「失礼な。私は、敬虔なイスラム教徒で、愛に基づく結婚をしたいです。

日本語の能力を生かして仕事がしたいだけです、あんな海賊船じゃなくて」

「研究者を襲うと、何か良いことあるんですか?」

マリナはどちらかというと真面目だが、変なことを言った時の攻撃力はすごい。

原子力の研究者を、襲っても、意味ないよ。貧乏だし。

一生、路上で旗振りのバイトとかしないといけないよ」

「何か勉強しなおしても、駄目なのかな。

例えば何って言われても、困るけど。プログラミングとか、資格取るとか」

プログラマは若くないとダメなんでないの?35歳定年らしいよ」

「ガセじゃね?グーグルとかアップルは定年ないとか」
「それアメリカじゃん、日本だと徹夜徹夜じゃん」
「世の中、いろいろ、キツイですね」

 

 

三沢と笠井は、F島市にある寺の墓地を訪れた。2人で夫と子供のぶんの花を買って行ったら、花が多過ぎて目立つ墓になってしまったが、他にもそういう墓はたくさんあった。
普段のように、最近亡くなった祖母が1人、祖父が1人ではない、震災で一家4人がなくなったりした家も多い。

「N県とか、全部、廃炉になるんだって」
「笠井は他のところに派遣されるんでしょ」
「退職希望者募ってるよ。原発の数が減って、そんなに人数いらなくなってきたみたい」
「マッキーなんか、いろいろショックすぎて合コンやってるとかライン来たよ。
マッキーは、普段真面目だけど、ハメはずすとおかしいよ。
海賊船乗ったり」
「俺、Y浜に引っ越そうかな。三沢の近所に引っ越していい?」
「良いっていうか、勝手に来なよ。私はY浜市長じゃないんだし。でも私はY浜にほとんど知り合いがいないから、そうしたら嬉しいよ」
「三沢んちに住みたい」
「お金、ないの」
「別にそこまで金が無いってことは無いけど。俺は独身で貯金多いし」
「いいよ。うち1人だと広すぎて寂しいし。悲し過ぎて、どうしようかと思っていたところ」