グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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エルサレムの子供店長2

 

ナーゼルは元々よく働く奴だった。だから地元の小競り合いにウンザリして、出稼ぎしていた。ドバイとかイエメンとか、いろんなところへ。

パレスチナがやっと働く奴がまともに暮らせる土地になったと聞いて戻ってきた口だ。

もうケンカ止めた。砲弾も飛んでこない。

「キミら、見違えたように働くね。パレスチナ人はイスラムの鏡だよ」

「ソレ、褒め言葉なの。

あんまり仕事に精を出すのは、アラーの教えに反しているってクレームきたらどう対応するよ」

「ゴロゴロしろってのは、アラーの教えなのか?

中東に偶然オイルマネーが湧いたから、定着した風習じゃないのか」


「人口の半分が働けないし、ある程度アラーに原因があるよ。異民族の奴隷を使う風習もあるし」

イスラム世界からクレーム来たって問題ないんだよ。

ユダヤ人はパレスチナ人をイスラエル国民だと認めた。俺たちがアラブ人に攻撃されたら、イスラエル国民として、命がけで守るってことだよ」

「あんまり人を簡単に信頼しない方がいいだろ」

Q:アラブどイスラエルが戦争になったら、どっちへつきますか?

パレスチナ人の多くが、これに回答できない状態だった。

だからパレスチナ紛争は、どうにもならなかったのだろうか。今となっては知る由もなかった。

アラブ人の味方になりたい奴は出て行け、イスラエルの市民になりたい人はここにいろ。

とはいえ、世界にコウモリ人種は多い。

忠誠心は無いけど、住んで得するところに住んでいたいとか、スパイするとか、それで済まない人が多い。

 

 

山猿の小競り合いに見切りをつけて、出稼ぎに行く。

地元を守る為に銃を取る。

このどちらが正しいかは不明だった。パレスチナはそういう厄介な場所だった。

故郷で戦っている人に、何で出稼ぎしないの?と聞くのも、出稼ぎしている人に、何で人々を守る為に戦わないの?と尋ねるのも、どっちもご法度な感じがした。

出稼ぎした方が、生産性はあるが、出稼ぎはラクじゃないし、出稼ぎ先が不景気になって、いきなり出稼ぎ者を追い出すこともあった。

結局、ユダヤ人もパレスチナ人も、ホーム・グラウンドが欲しい気持ちは、どっちも負けてないから、争いは終わらなかった。

空間創作技術が乏しかった、かつては。争いは歴史になりつつあった。

21世紀の人間は宇宙まで手に入れていた。海底にはケーブルが敷かれ、インターネットに仮想空間があった。

だから、1000階のビルなんて、ローテクな部類だった。

むしろ海底にケーブルが敷かれ、インターネットに仮想空間があり、てっいう、諍いの主戦場はそっちに移った感じだ。

 

 

「店長って、何派から選ぶかだよ。それが問題だろ」
「何も問題じゃないよ。コレは山猿の考えたパフォーマンスだ。トーラーばかり読んでて、または仕事が忙しくて、興味の無い奴は多い」
「何がしたいの。ユダヤ人とパレスチナ人の、差別化?」
「互いに、何が利権で、何が利権じゃなくて、どれだけ実力でマトモに生きてるかの証拠が欲しいんだよ。
いつまでも土地争いやってたって未来がないし」

ユダヤ教のハレーディームっていうの、極端に厳格な奴は、アラブ人に似てるよ、正直。
信仰の為にあんまり働かないし、子供を大量に作って、生活保護の世話になってる。
流行の服を着るのもご法度だ」
「ソレ、奴らの前で言ってみたら」
「御免だね。俺は合理主義者だから無駄なケンカはしない」
「極端同士は似通うよ。
民族主義なんか、どれもこれも、大した差がない。
男がスカートを履くとか、デブが取っ組み合うとか、見た目で差別化してるだけ」

「だけどユダヤは特別だろ。特別だからこそ、こんな数奇な歴史を辿り、ここに行き着いた」

 

 

地球のどこかで、新しい儲け話があると、一口噛もうと言うのはアメリカ人の習性なのか、彼個人の習性なのかは不明だ。

例えばハリウッドとトランプ・ホテルは、業種が違うから競合しないと思われている。

が、ここにマクドナルドがあり、あそこの土地はアメリカの不動産屋がやってる、そんなことばかりだと、アメリカは憎悪の的になりかねない。

この地球上、人々を喜ばせる良いものを作ったり、面白いことを思いつけないクセに、縄張り意識だけが極度に強い駄目生物は多い。

虎虎の票田が、そういう駄目生物なのか、元、有能技術者の希望の星なのかは、不明だった。

「あなたのビジネスモデルは、イスラエルから見たら心もとないですよ。

大学院とか入り直して、現代の技術を勉強したらどうですか」

「お前んところでは、利権の付け替えが上手く行ってないようだな。

ネオコンとクリスチャン・カルトは最近、不調だ。諦めろ」

「お宅とブッシュ政権は、どっちが原始人なんですか」

虎虎とユダヤ人は親戚だったから、このくらい暴言しても何も起きなかった。気を使わなくていい、やりやすい。

ただ虎虎の暴言は、相手に気を使ってないのか、逆に計算でやってるのか、不明なんだけど。

「どこへ行ったって、国民の8割は原始人だろ。お前らは知識オタクで、その事実を認識しないから、人間じゃないとか、レプタイル(爬虫類)とか陰口を叩かれるんだよ。

多数派を原始人呼ばわりして、またホロコーストに合わないように気を付けろ。原始人は優しく扱え、だ」

原始人を優しく扱う、ユダヤ教にそういう教え自体、あるのだろうか。エジプト捕囚なんかで、原始人は奴隷になるだけだ、みたいなことが書いてあって、それで?

「原始人の割合ですか。ユダヤ人だと、6割くらいじゃないですか」

パレスチナ人がいるから。それから、子供を大量に作って寝てるハレーディームがいるだろ」

ユダヤ人は金を貸すくらいしかしない。労働者を使うなんて、10重下請けくらいにしないと、やれないんじゃないだろうか。怖い。

人間不信だ。というより、原始人不信だ。

労働者を気遣ったマルクスだって、ユダヤ人だった。

原始人から原始人としてとっ捕まったところを脱出するところから、全てが始まった。奴隷になりたくなけば、原始人を止めろ。

「大統領は婿さんに優しく扱ってもらってるんですか」

「そりゃあもうな。彼はお前らみたいな血の通わない生物じゃないよ。彼には頭があり、ハートがある」

「誰が血の通わない生物ですか。あなたのそういう暴言、ナゾなんですよ。そこからどんなディールを引き出したいんですか」

「大統領はキミらに、婿の民族だと思って気安いんだよ。

プロレスリングで髪剃るみたいな、親愛の情の表現が、原始人なんだよ」

「家主に原始人とか言うなよ。お前こそ、親愛の情なのか、バカにしてるのか不明だ。

アメリカも、うちの家族も、原始人とインテリが混じってるけど、俺がどっちの路線なのかは不明だ。それが不明なのが、俺の路線だ。

俺はあんたからみれば原始人かもしれないけど、レッド・ネックから見たら大分インテリだよ」