グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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ウチナンチュ4


某市役所は金欠だったし、大した売りもなかった。

「地域教育って何ですか。会津若松の人は長州にやられたことを恨み骨髄なんですか。

沖縄の人は、沖縄戦の理不尽さを語り継いでるんですか」

「それを言うなら、大阪の同和教育は、何なの。部落差別があるからやってるのか。

それとも差別されない為に、マウンティングでやってるのか」

ここには地元の猿しかいない。

中央から派遣されてきた連中は、トイレ休憩か、ドリンク買いにか、何かへ行った。

それで地元の猿は、鍵を掛けて密談した。

ドアを叩かれたら止めればいい。何やってんだよ、ここはトイレか。

セックスしてました、とかいえば良い。良くないよ。

ソレどうなるの、始末書か。

「いくらなんでも、会津若松と長州の対立を、被災地と政府の対立に置き換えてる人は、見ないよ。

その手のは、民間伝承か何かじゃない。アイヌのレベルだよ」

「ってことは、地域教育って、やっぱり欺瞞なんですよ。

既得権益層の誰も刺激しない、無難なことしか書かない。そんなので、地元を守る気概なんて、育たないです。

現状、補助金まみれで暮らしてる地域がほとんどですから、

金はやるけどお前のツラの上にケツをおかせろ、みたいな態度を中央に取られて、コンップレックスの塊です」

コンプレックスの塊って俺らのことか。

「ツラの上にケツをおくとか、中央のやつが聞いたらお冠だろ」

まさか、監視カメラまではついてないよ。

俺たち、大人しく中央のケツ舐めてるし、そこまで疑心案義には陥っていない。

互いに疑心案義には陥っていないが、健全な関係かというと、それも不明だから、こうやって鍵をかけるハメになった。

 

 

 

地方猿は、屋上で煙草を吸っていた。

こういうの、あんまり健康じゃないよ。

だが、地域ブランドを根本的に考えるのは、横並びの呪縛からの脱却の一環だ。

「これは出向組に聞かれると、何がヤバいんですか?」

「中央の奴らは、徳川政府と似た感じだろ。参勤交代で呼びつける代わりに、出向に来て、俺たちをアゴで使う」

「俺たちはヒラだから、そういうシステム、良く知らないだろ。憶測が多いよ」

「出世すると、口が重くなるだろ、共犯者になってきて」

中央集権、デカいピラミットを1つ作らないと気が済まない東アジア特有のボス猿体質。

他人と違うつもりで全く同じ、量産型の現代人のファッションや個性と同じだ。

「沖縄は戦災を語り継ぐの、やってるでしょ。それでアイデンティティが混乱するのは必至だけど、

あそこは各国のエゴのぶつかる地域だから、一種の利権だよ」

「だが、逆に沖縄人はインターナショナルな人多いでしょう。幼少期から、エゴのぶつかり合いを目の当たりにしてる、それが良いんですよ。

貧しい人が多いのも、勤労道徳に、洗脳されてないからです」

「沖縄こそが、補助金漬けじゃないの」

「だってバックが中国になったら困るじゃない」

「各国の国境線って、そんな補助金合戦になってるか。昔のアメリカ大陸なんかは確かに、爆儲けしてたイギリスが、各国から領土を買い取って行ったけど」

「中国は人余りの金満だからしょうがない。北方領土はムネオ・ハウスだ。相手がロシアだから大分ラクだよ」

 

 

隣のテーブルのウチナンチューは、尾長たちに、何か本音を言って欲しいと言ってきた。怖い。

だが、誤魔化しが通用する相手ではなさそうだった。

一行は、大人しく大きなテーブルへ移り、心中を吐露させられた。全員、泡盛カクテルが入り、放言へのハードルは低い。

「米軍だけ執拗に文句を言われるの、変ですよ。自衛隊だって同じ戦闘機を使っています。アメリカの飛行機だけが、轟音がひどいわけじゃない」

「一方的に防波堤にされ、ルーツ的には日本人じゃない沖縄の人たちが、凄惨な集団自決とかさせられたことの恨みじゃないですか」

「お前は、真の敵を見極める、分析力があるか」

「世の中、見当違いの敵に突っ込んでいく奴は多いよ」
「お前?」

「俺は誰も恨んでないけど?」

「目出度いですね」

「真の敵なんか、いないよ。迂闊な誰かが、適当に地雷をバラ撒いた結果、どこかにシワ寄せがいっただけだよ。神でも恨めよ」

「神を恨むのは良いと思う。平和だよ。誰も犠牲にならないんだから」

「悪魔教じゃないの、ソレ」

「神たって、ヤハヴェ、ゴッド、アラー、ブッタ、

種類があるし、神死ねいっても、誰も気にしません。どの信者も、全員が全員、まず自分の神は貶されないと思ってるから、大丈夫です」

バーミヤンの仏像破壊になるじゃん」

「器物破損は、特定の宗派に喧嘩を売ることになるから、駄目だから。あくまで神とかいって誤魔化すのが戦略だよ」

「秘密結社っぽいじゃないですか。怖いよ」

「秘密結社だと思って貰えたら最強だろ。

誰も結成してないのに、あると思われてる、最強のシールドだよ。真のイージス艦だよ。盗聴もGPS(全地球測位システム)も破れない」

「だが、無限に疑われて落ち武者狩りになるよ。国民狩りとか、そこですでに被害が出てるじゃん」

コレって悪酔いなのか。

酔っ払いの戯言は、無根拠ではない。何かの抑圧の表出だ。

俺たちの頭がおかしいのは明白だが、ウチナンチュの頭の中身だって負けてない。

困った土地には、困った植物が育つ。羊民なんていない。