グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

ポリシー:ちきう上からポコラーを絶滅しよう。嫌がらせノー、駄目、絶対。

ウチナンチュ6


老人たちは、多くのことが面倒臭くなった。

かつてインフラを作るのは誇らしい仕事だったし、金も儲かった。

だが、公共事業は悪者になった。

それ自体は、ただの商売理論だ。

道路は作ってしまえば、もうそれ以上、要らないし、グローバル化ケインズ政策が効かなくなったせいもあった。

農業はダサくて、人が来なくなった。

だが、そういうことで傷つく人は多くいた。

自分が生涯を賭けてやってきた仕事のイメージが、毀損されていく。


「地方助成金をバラまき、郷土愛などと言えば、飛びつく土壌は揃ってるよ。

人の劣情を刺激し、金を右から左へ動かしてリベートをポケットを入れるのは、ウマイ」

「ふんなら、どうするのっていう、何かを生むスキームがないと、意味がないだろ」

「だけど痩せた土地が、農村存続の為に、人を連れて来いっていうの。そういうの、気持ちなの、金なの」

「農家に聞いて来れば」

「田舎にパチンコとか誘致してる人は、金だろ」

「だが、イメージの為に大枚はたく奴もいるし。フェラーリ見せびらかしたり、ブランドバック下げたり」

「金とイメージの区別はつかないか。フェラーリの代わりに、カッペは農作を大事にしてる、そんだけの違いか」

「だいたい、本気だったら、ぼろきれ着て雑穀米でも啜れば。ソレが祖先の暮らしだろ。下手踏んだら、そうなる確率高いんだし」

「だったらホームレスやってたほうが100パーラクだよ。

ホームレスだってラクじゃないが、芋粥の為に一日中働くのはバカげてるよ」

彼らは農業補助金は存続しないという危機対策でシュミレーションしていた。

戦後は農業補助金が当たり前だから、農村は自然の中でホノボノ暮らしているというイメージがあるが、

途上国のほとんどの農村は、まず食えないから人が消える。あるのは、外資の作ったプランテーションくらいだ。

コーヒー、カカオ、綿花、砂糖、バナナなど。

プランテーションは輸出がカタイから食えないことは無いが、従業員の待遇は、かつての黒人奴隷に近い、なけなしの給料が出るに過ぎない。

戦前の日本は、農業補助金が無かったから、飢饉と娘売りが横行する農村の青年たちが憤り、軍国主義へつながった。

そのくらい、貧困は怖い。

 

 

「コレは美味い。通に人気のヤツだ」

ウチナンチュは泡盛をいくつかくれた。

長尾たちは安堵した。俺たちは嫌われてない。


「沖縄に、在日コリアンが右翼になって日の丸を振り回すみたいな現象は無いのか」

在日コリアンは、労働移民として、攻めに行ったんだ。沖縄みたいに、各軍に郷土を踏みつぶされたわけじゃない」

「けっこう踏みつぶされてますよ、38度線辺り」

鹿島は通に人気の泡盛を持って、重さにビビった。

コレ、宅配便で送るの。持って帰るの、大変だよ。途中で割ったら嫌だし。

仮設住宅の爺婆に上げたら、喜ぶかもしれない。

「沖縄は明治政府が立てた神社ありますよ。ただ沖縄くんだりに来て、神社に参る人は、変だよ」

「そうか?パラオの神社と同じだろ。そういうことに征服欲を感じる人はいるし、単に珍しいから、征服欲とは無関係の人だって来るよ」

「勝手にシーザー置いたり、カスタマイズすればいい。巫女の代わりにユタを置いたり」

「沖縄は気候が良いし、変なモノが沢山あって羨ましいですよ。福島は原発事故で飛んだ。もう安い土建しか無い」

 

トイレ休憩や、帰り道で回り道して、地方の現状と中央の横暴について、グチる。

そういう某役所の、地方猿の密会は、唐突に終わりを告げた。

中央から派遣された人は、地方1たちと違う、高そうな椅子に座って、彼らを睥睨した。

「キミらは、俺たちに隠れて、変なことを話し込んでいるよね。シラを切っても無駄だよ」

「どうしてそう思うんですか」

腹の探り合いが始まった。盗聴器を付けたと言ってみろ。土着のメンバーの誰かを懐柔し、中央ケツナメのスパイを潜り込ませたと言ってみろ。

中央2が、弱気な顔をした。彼は元々、温和な雰囲気の人だった。

「俺は君たちを評価している。やる気のない奴の集まる地方は、終わりだ。

ここが勃興すれば、俺の箔もつく。仲良くやろう」

「互いに互いの業績を盗み、ドヤ顔をすればいい。どうせ俺たちの出世ルートは違う。無駄な争いは要らない」