グローバル・ラノベと政治同人誌だよ。

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厚労省役人宅の子猫1

 

彼女たちは、スムージーを飲み終わると、フタにストローを刺したり抜いたり、ケータイをいじった。

「伴野、へこみすぎ。元気出せよ。オラがストローを鼻に突っ込んであげようか?」

「マッツィーに捨てられた臭いんだけど。初めから、適当な感じだった。連絡来ないし」

「適当な感じなのに、乗るの変じゃん?嘘ーン」

「だって、乗っておきたかったから。好きな気持ちは止められないでちゅー、って」

「だったら、踏み台にすればいいじゃん。地球上の70億人の半分は男なんだよ。

駄目な男なんて、気にしないほうが良いよ。

道を歩いていたらウンコを踏むことは、よくあるんだし」

「私は、あんまり無いよ」

「私って、カモ臭い?」

「やらせてくれて、ありがとうとか思っておけば?その人、見た目だけは、イケメンなんでしょ。

写メ取って、みんなに自慢すればいいよ。イケメン捕獲報告って。そうしたら、逆に引くかも、相手の方が。リベンジだよ」

「報復合戦になっちゃうじゃん。違うよ、俺が捨てたんだとか、互いに泥沼かもしれない。格好よくない別れ方じゃん」

「被害者意識とか持たないほうがいいよ。

来るものは拒まずみたいな、スタンスを取りつつ、内心では、攻めの姿勢なんだよ。

相手に優しくしつつ、食い散らかすんだよ」

「何ソレ、駄目なイケメンみたいじゃん。

りょうチンのスタンスなの?そう言われてみれば、そんな感じするよね。りょうチンって、タラシだよね」

「食い散らかすは嘘だけど。

でも、そこまで本気になれない相手だったら、

とりあえず仲良くするけど、そんなに踏み込まないよ。誤解させたら悪いし」

「そういうの、恨みとか買ってない?学校のロッカー荒らされたり、呪いのメールとかこないの?」

「私は鈍いからわかんない」

「良子は美人だからいいじゃん。パワー系美人って、いちいち嫉妬とかされないよね。みんな、ハナから相手にならないと思ってるから」

「嫉妬は、中途半端に男に媚びた感じの、小美人がやばい。それで、女には冷たかったりすると、尚更ヤバイ」

「それ体験談なの?伴野は小美人だよ、失礼だけど、スタイル良いから良いんだけど」

「バンバンは、女に冷たくないから、違うよ」

「でもそこまでして、モテたくないじゃん。男子とも、女子とも、上手くやりたいじゃん」

「どうせ1人としか付き合えないんだしね。どれだけモテても、つきあった相手が地雷だったら、困るし」

放課後のスタバで放言する彼女たちは、背後にオッサンがいたことに気が付いていなかった。花園に潜む蛇だ。

「OK、パワー系じゃん。女子高生の世論を煽動する能力がありそう。この人たちにしよう、とりあえず」

堀が立ちあがったので、三木村も慌てて腰を上げた。

 

 

 

 

お姉さんたち、ちょっと僕たちの、話し相手になってほしいです。お仕事の関係で」

「お仕事の関係って何ですか?ヤバイの?」

顔を上げて振り向いた、女子高生の、綺麗な顔立ちが3つ。スタバのテーブルを占拠する、長めの手足。

三木村の周りではそんなに珍しくない。誰の奥さんだって、こういう顔立ちの、もう少し老けた感じで、そういう人は、職場の女性にも多い。

三木村は、怪しいヒアリングを持ちかけておいて、全然緊張しない。

「お兄さん、背広来てるけど、仕事してないんですか」
「白昼堂々、ナンパ」
「ナンパじゃないか、私服警官の補導かも。今は補導される時間帯じゃないし、そういう年齢でもないけど」

三木村たちは、茶化されたので、名刺を渡した。

「厚生省ホニャララ課課長。

偉い人なんですね。でも、昼間っからこんなところをプラプラしていて大丈夫なんですか?」

「左遷されたとか?この名刺、偽造ですか?」

霞が関の名刺にスリスリするような女子の意見はいらない。

そういう人は40歳になっても年収1000万とか言って、結婚相談所辺りに溜まっているのが関の山だ。

「本音で話す?そうすると何か良いことあるんですか?」

「謝礼出しますから。顔は出しません。ただのヒアリングなんで、無記名のアンケートみたいなものです」

「確かに私たちは、あんまり男の人の前で、本音は言わないです。とくにお兄さんたちみたいな、偉い人の前では」

「じゃあ、ココからが本音、ハイ本音」

「女子会の感じお願いします」

三木村がチャラいなら堀は誠実系だ。グットコップとバットコップじゃないんだけど。

「本音いうと、モテなくなるじゃん。生活に差しさわりがあるし。モテてどうってこともないけど、生活費が浮くし」

「そう、そういう感じで。本音全開でお願いします。

僕ら、少子化対策とか、やってるんだけど、気持ち悪いとか、ストーカーとか言われて、全く効果がなくて、パージされそうなんです」

三木村の本音には、見ず知らずの人の心の琴線に振れるものがあった。

霞が関で、ここまでオープン・マインドな人は珍しく、その本音も決定的にヤバかったり、人心をかく乱するタイプのものではないので、外回りなどに重宝されていた。

堀は、録音スイッチを押した。